ある夜突然フォルテの部屋を訪ねたアルモ。
こんな夜中になんだ、と怪訝そうな顔をしながらも迎えるフォルテだが、
アルモの思いつめた顔を見て流石に顔を固くする。
「フォルテさん、お話があるんですけれど」
「なんだい?」
フォルテに真っ直ぐに見据えられアルモは一瞬言葉に詰まる。
しかしぐっと腹に力を入れ、負けずにフォルテをにらみ返すようにして言葉を搾り出す。
「フォルテさんは…副指令のことをどう思っていますか?」
「どうって?」
「ですからっ…そのっ…」
まあ、わかってたことだけどね、とフォルテは心の中でそっとため息をつく。
実はフォルテは、数日前にレスターに交際を申し込まれていた。
フォルテも彼にはそれなりに好意を抱いてはいたが、彼に想いを寄せるアルモの
事が気になってしまい、返事はもう少し待ってくれと告げたのだ。
そのアルモがこうして自分のところに真意を問い質しに来ている。
(やれやれ、このコ、本気なんだねえ…)
「どうなんですか…?」
「なんであたしにそんな事聞くんだい?まぁあんたのレスターへの気持ちはわかってる
けど、まさか艦の女全員に聞いて回ってるわけじゃないんだろう?」
うっ、と言葉に詰まるアルモ。
なんてカンタンに揚げ足を取れる娘なんだろうと少し笑いたくなる、が必死に堪える。
「だって…あの…見てて、わかるんです、副指令は、フォルテさんが、その、す………す、
好き…だって…」
辛そうに答えるアルモ。見ていて少々痛々しい。
(さあて、どうしたもんかねえ)
「あたしも、レスターが好きだよ」
その言葉にハっとアルモは顔を上げる。
「って言ったら、どうする?」
「え…、ど、どうって…」
ぎゅっと手を握り締め、じっと見つめてくるフォルテの端正な顔を見上げる。
(…綺麗な、人、強い、人……あたしが、勝てるわけないよ)
「そしたら…そしたら、諦めるしか…ないじゃないですか…」
「それでいいのかい、おまえさんは」
「両思いじゃ…しょうがないです…」
ああ、困った、とフォルテは少し視線を泳がせる。
男は泣かせても、女、ことに可愛い女の子は(変な意味ではなく)泣かせたくない主義だ。
だからと言って、レスターを振ればアルモとくっつくだろう、なんてうまいこと行かないのは
わかっている。
「あのな、正直言っちゃうけど、あたしあんたの推測どおり、レスターに告られたんだ」
「!!……そ、そう…ですか、やっぱり…」
「でも、返事はまだしてない」
「えっ」
「なあアルモ、あたしからレスターを奪い取ってごらん?」
「えっ、えっ?」
フォルテの悪戯っぽそうな微笑みを、アルモはぽかんとした顔で見つめる。
「愛を奪い取ってみな、なあに、あんたは可愛いし、できるって」
「ちょ、ちょっと…フォルテさん…!?」
「あたしは、まぁレスターと付き合ってもいいかなぁと思ってるよ。でも、こーんな感じで
付き合ってもいいかなー、なんて言ってるあたしにレスター取られていいの?」
フォルテは少し口の端を持ち上げ、ふふんと言った表情でアルモを挑発する。
そんな見え見えの挑発だったが、単純なアルモは簡単に乗ってしまった。
「いっ、いやです…!あたし、あたしは本気で、夜も眠れないくらい、副指令の事を想って
るんです!そんないい加減な気持ちで付き合ってもいいか、なんて考えてる人に彼を
渡したくないです!」
(うーん、なんて単純なコだろ。可愛いねぇ)
あまりにもうまくコトが運び、本気で笑いをかみ殺すフォルテであった。
「よっしゃわかった、じゃあアルモ、あたしの言うことをお聞き!」
「…え?」
「あんたの恋の天使になってあげるよ、このエンジェル隊のフォルテさんがね」
豊かな胸の谷間をどんと叩き、先ほどの表情から一変、いつもの姉御の顔になる。
「え…で、でも、フォルテさん、いいんですか…?」
「ま、どうせならアタシも、あんたとがレスターを好きなのと同じくらい好きになる男と
付き合いたいからね。レスターには悪いけど、アンタを応援したくなったよ」
アルモは目に少し涙を浮かべて、フォルテの胸元にすがりつく。
「ありがとうございます…フォルテさん…」


フォルテとアルモ

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