タクト×ミント

3日後だった。ミントの顔に疲れの色が見えていた。
「お疲れさま・・・大丈夫だったかい?」
「はい。なんとか無事に戻ることができて良かったです」
ミントがエオニアの敵艦に向かった理由・・・・・・・
俺たちエンジェル隊はエオニアの配下に墜ちたのだ。
『ローム星系』へは目と鼻の先だった。しかし後少しの
ところで油断をしていた。エオニア軍の勢力範囲に飛び込んで
しまったのだ。
それから後のことはよく覚えていない・・・大勢の仲間が命を落とした・・・いくらもがいても『まな板の上の鯛』そのものだった。
「とりあず今日のところは休もう・・・みんな
何日も気が張って疲れただろう」
生き残ったのは俺たち4人・・・・
俺、ミルフィー、フォルテ、ミント、だけだった。
蘭花、ヴァニラの消息はわからなかった。
僅かな人数で探索を続けているが、
今だもって発見することができない。
「そうですわね・・・今日は休ませていただきますわ」
ミントの声はかすれていた。すまない・・・俺が役不足なばかりに
みんなに迷惑をかけてしまって・・・
「みなさん元気をだしてください!きっと何か良いアイディアが
見つかりますよ!ですよね・・・タクトさん・・・」
いつも元気なミルフィーでも不安の色は隠せなかった。
「あぁ!俺がなんとかしてみせるぜ!」
みんなを元気づける為なら俺だって嘘を付く。
この状況でエオニアとの勝算は0に等しい。
エルシオールは修理不能・・・すでに動かすことすらできない。
「とりあえず今日のところは寝よう・・・っていっても
使える部屋が一つしかないんだよね・・・」
運よく生き残った部屋・・・ミルフィーの部屋である。
「こんな時まで運がいいよな・・・ははっ・・・」
とりあへず今日は寝よう。明日は俺がエオニアのところへ
行こう。
・・・・・・・
夜、俺は眠れなかった。いろんなことが一気に起こったせいで頭の中はパンク寸前だった。今までのこと、これからのこと、
俺にはどうしていいかわからない・・・レスター・・・お前なら
この状況をどう乗り切る?エオニアだっていつ攻撃してくるか
わからない。今は余裕を持っているかトドメを射さずにはいる。
「ちくしょー・・・エンジェル隊司令官が隊員に助けられて
いてどうすんだよ・・・」
ミントがエオニアの船に行ったのは話し合いに行ったのではない。
男たちの欲求を解消しに行ったのだ・・・
すまないミント・・・・俺が情けないばかりにミントに辛い思いを
させてしまって・・・・・・・
「・・・・・・ん?」
何か声がする・・・誰か起きてるのか?
俺はそっと起きあがり声の方へと向かってゆく。
その声は部屋の外から聞こえてきた。
ん・・・ぐすッ・・・う、うっ・・・・んっ・・・
「ミント・・・」
声の主はミントだった。廊下に膝を抱え込んで座っている。
普段から小さいミントがより小さく、切なく見えた。
「うっ・・・ぐずっ・・・タ、タクトさん・・・」
ミントは顔をクシャクシャにして泣いていた。
「ゴメン・・・俺が情けないばかりかこんなことになってしまって」
ゴシゴシゴシッ
ミントは目頭に溜まった涙を制服の袖で強く拭き取った。
「タクトさんだけの責任ではありませんわ・・・わたくしも
油断していましたから・・・」
俺は最低な男だよ・・・女の子一人守ることができないなんて・・・
「ミント・・・今更こんなこと言うのもなんなんだが・・・」
俺は戸惑った。本当に今言うべきなのか・・・
「なんでしょう?タクトさん・・・」
ミントの顔は月の光ではっきと見えていた。
月光が映す少女の姿・・・まるで『月の聖母』のように、
優しく、安心感を漂わせていた。そして何よりも・・・・美しかった。
「今まで何度ミントに助けられたかわからない・・・
だから・・・・だから今度は俺がミントの力になりたいんだ!」
「えっ、えっ?そんな急に言われましれも・・・」
ミントは予想外(?)なのか困惑している。
「俺にできることなんでもするよ!」
俺は焦っていた。ミントに断られたらどうしようかと。
しかもミントってテレパス能力使えるし・・・・
「こんなこと言うと軽蔑されるかもしれませんが・・・
あの・・・その・・・だ、だい、だ、だ、」
だ?だ?
「抱いてください!私を愛してください・・・」
へ?・・・・・えっ!!?
「ちょ、ちょっと待ってくれ・・・・本気なのか?」
小さくコクリと頷く。
「エオニアの船で男たちに犯されました・・・とても辛くて・・・
死んだ方が楽だって何度も思いました・・・でも、でも・・・・私は
タクトさんが好きです・・・だから、生きて帰えればタクトさんに
会えるってずっと我慢してきました。」
震えるミントの体をそっと抱き寄せる。見かけ以上に小さく、
今にも壊れてしまいそうだった。
「ミント・・・」
俺はこういうときにどんな言葉をかけてあげればいいかわからなかった。俺は、『ギュッ』と強く抱きしめた。
もう絶対に離さないと誓って。
「ん・・・ん、ん・・・」
そしてキス・・・・優しくも強く。ミントに安心感を与えてあげる。
「タクトさん・・・早く・・・抱いてください・・・・もう・・・・つぶれてしまいそうです・・・」
ミントの体が小刻みに震えている・・・・辛かったんだ。ミントの辛さが痛いほど心に響いてくる。でも・・・
「俺だってミントのこと好きだよ・・・でも・・・・今の俺に君を抱く資格はない」
そっとミントを引き離す・・・・
今ミントを抱いてしまったら・・・・俺は弱い人間になってしまう。
『ミント』という逃げ道を作ってしまう気がする・・・
「どうしてですの!?やはり私を受け入れることができないというのですか?」
ミントは今にも泣き出しそうだった。しかし今はミントの気持ちに答えることができない。
本当は俺だって今すぐミントを安心させてやりたい・・・・でも、今の俺にはできない・・・
「ごめんミント・・・・今俺が君にしてやれることは・・・・」
もう一度『ギュッ』と強く抱きしめる。
ミントは泣いていた・・・・俺は優しく頭を撫でてやる。さらさらとした髪の毛が心地よい。
「もうエオニアの船に行く必要はないよ・・・明日は俺が直接行く。」
シヴァ皇子がエオニアに捕らわれている今、俺たちがやるべきことは少しでも長く生き延び、
最善の戦略でエオニア軍を壊滅させることだ。
「タクトさん・・・本当にお優しい方ですわ・・・・いいえ、明日は私も行きますわ!」
「えっ!?」
いつの間にかミントは『いつもの』ミントに戻っていた。
「ミントは本当に強いな・・・・俺も見習わなくちゃ。」
「いいえ。私は強くなんてありませんわ・・・・タクトさんが私に強さを分けてくださったじゃないですか☆」
ミントは強い子だな・・・・俺はこの子を、この笑顔を絶対に守らなくちゃいけない!そう心に強く誓い、
もう一度キスを交わす・・・さっきよりも長く、深く、そして・・・互いの命を確かめ合うように・・・・
・・・・・・・そして翌日。残り僅かな食料を4等分し、朝食を済ませる。
「みんなに言っておきたいことがあるんだ」
俺は覚悟を決めた。
「今日、俺はミントと一緒にエオニアの船に乗り込む、そしてシヴァ皇子を助けだす」
「何いってるんだよ!?そんな危険なことやめときなよ」
「そうですよ〜いくらなんでも危険すぎます!」
やはり反対されたか・・・でも俺の覚悟は決まっている
「私は覚悟を決めましたわ!エンジェル隊の一員、そして月の巫女としてシヴァ皇子をお守りいたしますわ!」
「エンジェル隊として・・・・月の・・・巫女として・・・・」
フォルテははっと我に返る。
「そうですよね・・・エンジェル隊としてシヴァ皇子をお守りしなくちゃいけないんですよね!」
ミルフィーもグッと眉間にしわをよせ気を引き締める。
「わかったよ・・・・司令官どの・・・・あたしの命、おまえさんに預けるよ!」
「その意気ですわ☆」
「ありがとう・・・・・」
俺は改めてエンジェル隊の強さを知った。
「よし!それじゃぁ一度ブリッジへ移動しよう」
補助電源のおかげでレーダーだけはなんとか動く。いつまでもつかわからないが・・・
「作戦を説明する・・・・・・・・・・
この通りだ!みんな、うまくやってくれよ!!」
「了解!!」
互いに敬礼をする。
「今日はもう遅い、決行は明日の朝だ!」
明日・・・・何もかもが終わる・・・・勝つか、負けるか・・・・
みんなミルフィーの部屋へと戻ってゆく。
その夜、やはり俺は寝付くことができなかった。俺は部屋を抜け出しブリッジへ向かう。
「この椅子とも今日でお別れか・・・・短い間だったけどお疲れさま」
ゆっくりと腰掛ける。今までのことが走馬燈のように思い出される。
蘭花、ヴァニラ、レスター、ルフト先生、アルモ、ココ・・・・俺は明日みんなの仇をうちにいってくるよ・・・・
いつの間にか俺の頬に冷たい滴が線を描いて落ちてゆく。
泣いているのか?
情けないな・・・・まだこれからだというのに・・・・
「タクトさん・・・・ですの?」
声のした方に振り向く・・・・ミントが立っていた。
「どうしたんだい?眠れないのか?」
「いいえ・・・・目が覚めたらタクトさんの姿がなかったので」
探しに来てくれたのか・・・・
「ついに明日が決戦ですわね・・・」
ミントは震えていた、やはり不安や恐怖が大きすぎる・・・・
「ミント・・・おいで・・・・」
そっとミントを自分の胸へと導く。
「タ、タクトさん・・・・」
ミントはゆっくりと俺の胸へ顔を埋めていく。
「大丈夫だよ・・・・俺が付いてる」
なんの確信もかなったが、俺は信じていた。きっと俺たちに光りを与えてくれると・・・
「あの・・・・タクトさん・・・お願いがあります」
ミントは体をそっと離し、俺をまっすぐに見つめる。黄色い瞳がどこまでも透き通っていて
吸い込まれそうだった。
「待って、その言葉は俺に言わせてくれ」
みんなから勇気をもらった・・・・今の俺は弱くなんかない!ミントが側にいれくれる、
俺は逃げたりしない・・・俺は、ミントを愛している・・・・
「ミント・・・・愛してるよ・・・・」
俺はミントの小さな唇にキスをする。ミントの体が一瞬ブルッと震えたがすぐにおさまった。
ミント・・・可愛いよ
「タ、タクトさん!」
ミントは急に顔を赤らめて俯いてしまった・・・なるほど。テレパスか・・・・
「だって本当のことじゃないか、嘘をついた覚えはないけど?」
ミントはさらに顔を赤らめて俯いている。
「タクトさんてば・・・・エッチなんだから・・・・」
こんなときだけ心が疎通してもあまり嬉しくないのだが・・・まぁいいか。
ん・・・ちゅッ・・・・くちゅッ・・・ん、ん・・・・
もう一度キスをする。そしてゆっくりと服を脱がしてゆく。
「!?」
ミントの体にはいくつも傷があった。痛々しいみみず腫れが俺の心を痛めた。
ごめんミント・・・・俺が情けないばかりに・・・・ミントがこんな目に・・・・
「大丈夫ですわ・・・・この身が傷ついていようとも、私の心は貴方の中にあります・・・・
貴方が辛いとき・・・・私が優しく包んであげます。私が辛いとき・・・・貴方の笑顔で暖めてください」
俺はそのとき気が付いた・・・・テレパスとはただ人の考えを読むだけではなく、
互いの『心』が一つになった時、初めて『心』の声を聞くことができるのだと・・・・
「ミント・・・・何年かかっても君の傷を癒してあげるよ・・・」
「キャッ!?・・・・タクトさん・・・恥ずかしいですわ・・・・」
構わずミントの体を舐めまわしてゆく。
「ミントのおっぱいちっちゃくて可愛いね」
小さな胸を舌でゆっくりとなぞってゆく。
「あっ・・・あんッ・・・・ダ、ダメ・・・ですわ」
俺は構わずピンと立った乳首を舐めまわす。
「そ、そんなにされたら・・・・ダメですわ・・・・あ、あんッ・・・・」
ドサッ
ミントはその場にへたりこんでしまった。
「大丈夫か?」
俺は内心ヒヤッとした・・・・大丈夫かな・・・俺なんかやったかな・・・
「ええ、大丈夫ですわ。タクトさんがお上手なだけですわ」
「えっ・・・そうかい?」
俺はどぎまぎしてしまった。
「じゃあ俺の華麗なテクニックをとくとご覧あれ」
座りこんでいるミントを抱きかかえ、椅子へと座らせる。
ミントのショーツをたくし上げ、陰部を明らかにする。
「恥ずかしい・・・・ですわ・・・・」
ミントの恥丘をまじまじと見てしまい、俺の棒は爆発寸前だった。
「ミント・・・・ミントのこことっても綺麗だよ。ほら、ぷにぷにしてて気持ちいい・・・こんなに愛液が溢れてる・・・」
ミントのアソコは俺の指を喜んで咥えるほどに濡れていた。
「はぁっ・・・はうッ・・・あっ・・・はあッ・・・」
「もうこんなに濡れてる・・・・ミントはエッチなんだね」
俺はニヤニヤとミントの顔をのぞく。
「そ、そんなコト・・・・ない・・・ですわ」
ぷいっと頬を膨らませてそっぽを向いてしまった。
そんなところも可愛いよ・・・・
「ここはどうかな・・・・?」
赤く充血した陰核を指の腹で転がす。
「あぅぅ・・・・はぁっ・・・はぁン・・・」
とても甘く切ない声だった・・・・
「くぅ・・・んっ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
ミントの秘裂はさきほどよりも更に濡れていた。
「ん・・・じゅるっ・・・」
「ふぁ!あっ・・・・・あぁっ・・・舐めてはダメですわ・・・」
俺はわざとらしく音を立ててミントの愛液を啜ってゆく。
「んうっ・・・ダメェ・・・」
ミントの恥丘から顔を離すと力なく椅子に倒れこんっだ。
俺の肉棒はもう準備OKだった。そろそろいいかな?
「ミント・・・・いくよ・・・」
俺はミントに優しく言う。
「タクトさんなら安心ですわ・・・・」
ミントの可愛い花弁に肉棒をあれがう。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!」
ゆっくりと腰を前に突き出した。
「力まないで」
「うぅ・・・・・くぅ・・・・」
「ミント・・・・・いくよ・・・・」
ミントはコクンと頷きキスを求める。
「ん、んっ・・・はぁ・・・・」
軽くキスをする。ミントの体から力が抜けていくのがわかった。
俺は、抵抗してくる膜を突き破った。
プツンッ・・・
「うぐっ・・・」
激痛にミントがビクッ震える。
破瓜の血が痛々しくミントの秘裂から滴り落ちる。
「大丈夫か?」
「はい・・・なんとか・・・思った・・・以上にい、痛いですわ・・・・」
結合部から、血液が流れているのにも関らず、涙目で何とか言葉を

紡ぎだしている。
「動くよ・・・・ミント・・・・しばらく痛いけど・・・」
ズッ・・・ズズッ・・・ズッ・・・
「んくっ・・・・んんっ」
全く使われていない姉貴の中はかなりキツかった。
ズプッ、という水音が耳を打つ。
「ぐ・・・ぐぐ・・・」
ミントは叫ばぬよう口を閉ざしうめいている。
ずんッ・・・・ズッ・・・ジクッ・・・・
「はぁっ、はぁっ」
「奥まで入れるよ・・・」
ずちゅんっ・・・
「あぁぁぁっ・・・痛ッ・・・ぐ・・・タ、タクトさん・・・」
痛みを堪えようと必死で俺の名を呼ぶ。
ズチッ・・・ズプッ・・・ジュッ・・・
「あ、あぁぁ・・・」
そろそろ限界が・・・・
「ミント、動きを早くするよ」
「・・・・・・(コクン)」
俺は、腰の動きを早めた。
ズンッ!ジュグンッ!
「んあっ・・・・・あっ、あっ、あっ、あぁっ・・・・」
誰にも汚されていない場所を俺が開拓してゆく。
ジュッ!ググッ!
「ああっ、ああああああっ、あっあッ・・・」
ズッ・・・ジュプッ・・・・ププッ・・・
ずぐっ、とできるだけ奥まで打ち込む。
「あうっ!」
ミントが背筋を反らす。
「もう・・・で、出そう・・・中にだすよ・・・」
今にも放出しそうな感覚を必死に抑え、ラストスパートをかける。
「やン・・あっ・・・あ・・・な、中に・・・出して・・・くだ・・・さい・・・」
俺の突きにミントの体が揺れる。
「だ、出すよミント!」
ぐりぐり、と股間と股間をあわせて、ミントの一番奥に肉棒を
はめこむ。
「くあっ・・・あ・・・ダメッ・・・」
「くぅっ・・・・」
どぴゅッ!どぴゅッ!どぴゅッ!
「かはっ・・・あ、熱い・・・」
ドクッ、ドクッ、ドクッ・・・。
「タ、タクトさんのが私の中で・・・あ、あう・・・」
すっかり出し終えると、ミントの中から肉棒を引き抜いた。
透明な糸が、結合部から俺の肉棒にかけてひいている。
ミントの股間から、赤と白が混ざった様々な体液が溢れていた。
「大丈夫か?ミント」
俺はそっとミントを介抱する。
「大丈夫ですわ・・・・もう・・・怖いものなんてありませんわ・・・
だって、だってタクトさんがついていてくださいますから・・・」
ミントの顔には『不安』という言葉はなかった・・・・
ただ俺をまっすぐ見つめている。
「あぁ、俺は何があっても、たとえどんなことが起きても、ミント

の側にいるよ・・・約束する・・・」
そして・・・・長い長いキスをする・・・
俺はそのとき、時が永遠に止まればいい・・・そう願っていた・・・
『満月の夜に二つの影が重なり合う時、新たる生命、時代が始まる

であろう・・・・・』

翌朝、俺はミントの温もりの中で目覚めた。
ミントはまだ寝ているようだった。そっと頭を撫でてやる。
こんな小さな少女なのに本当に強い子だ・・・
ミント愛してるよ・・・
ミントを起こさぬよう俺は着替えを早々と着てブリッジを後にした・・・・・・
「ゴメン。俺、やっぱりみんなを死なせたくないよ・・・・蘭花、ヴァニラ本当にゴメン・・・
エンジェル隊の指揮官として、そして友達としてみんなを守れなかった・・・・
もう誰も犠牲になんかしない!俺がこの戦いを止めてみせる!」
小型船に乗り込む時、俺は我にかえる・・・・
「ミント・・・・」
「やはりこうなると思っていましたわ・・・・あなたならやりかねませんのもね」
俺は胸を付かれた。ミントは俯いていて表情がわからなかったがきっと泣いているのだろう。
「俺は、俺はもう誰も死なせたくないんだ・・・」
「あなたが死んでしまったら私はどうすればいいんですの!?残される人間のことも考えてくださりませんこと!
私は・・・・あなたしか頼れるものがありません・・・」
俺は小型船を降り、ミントの側へとゆく。
「大丈夫、俺は死なないさ。だって・・・俺にはミントがいるじゃないか。ミントを守りたいからこそ
俺は命を張る・・・・俺は必ず帰ってくるさ・・・」
ミントの体を強く抱きしめる。離れぬよう・・・・離さぬよう・・・・
「・・・・わかりましたわ。止めても無駄のようですわね。タクトさんを信じています。
だから、だから・・・・きっと帰って来て下さい・・・・」
ミントは今にも泣き出しそうな顔を無理やり笑ってみせた。
その笑顔に恥じぬよう俺はきっと帰ってくるよ・・・・
「ありがとう・・・・俺は必ず帰ってくるから・・・」
「待ってますわ・・・・」
俺は頷き、再び小型船へ乗り込む。
エオニアの船に近づくにつれ緊張感は限界を超えそうになっていた。
これで終わりにするんだ・・・・
エオニアの船に進入するのは簡単だった。
エオニアに話がある。その一言で許可が出た。
「エオニア様のお部屋はここだ」
傭兵が俺をエオニアの部屋へと案内する・・・・
ドスッ!!
「ぐはぁっ!!」
首筋に一撃・・・・こんなにうまくいくとは思っていなかった。
前に読んだマンガの真似をしてみたのだが・・・・我ながら惚れ惚れする・・・
なんていってる場合じゃない・・・・先を急ごう。
傭兵たちに見つからぬよう慎重にエンジンルームへ向かう。
「やけに人がいないな・・・・」
人影が一切見当たらない・・・・なにか変だな・・・
一層緊張感を高め通路を進んでゆく。
「んっ・・・・声・・・・?」
通路の向こう側から声が聞こえた。
「おい、大丈夫か!おい!アルモ、アルモ!」
アルモ・・・・アルモだって!?
声が聞こえたほうをそっと覗いてみる。
「しっかりしろ!おい!アルモ!アルモ!!」
通路も向こうは暗くてよく見えなかったが、俺は親友の声を忘れるほどバカじゃない。
「レスター・・・・」
「んっ!タクト・・・・タクトか!」
ガシッ!と互いに強く抱きしめあう。
「レスター!無事だったのか!」
「ああ、俺にもよくわからんのだ・・・・いったい今何が起こっているんだ?」
俺は今までのことを手短に説明した。
「そうだったのか・・・・エルシオールが・・・」
レスターの暗い顔を見たのは初めてだった。やはり不安なのだろう・・・・
「とにかく、この船を破壊するんだ!」
レスターは頷き、アルモを抱きかかえて走りだす。
とにかくエンジンルールへ行ければ・・・・
「エンジンルームか?あそこだったら確かここの突き当たりにあったはずだ。
「なんで知ってるんだ?」
俺は半場呆れてしまった。
「あぁ、目が覚めてからいろいろと周ったからな」
まぁいいか。レスター・・・・助かったよ。
「なにをするか知らんが頼んだぞ・・・・」
「うん・・・・」
レスターと別れエンジンルームへと向かう。
「ここか・・・」
エンジンルームへと入る。メインエンジンを探す・・・・
しかし誰もいない・・・・なんでだろう?
「これがメインエンジン・・・・」
部屋の最深部にソレはあった・・・
「なんだこの大きさは・・・・」
果てしなく大きなエンジンがそこにはあった。
ダメだ・・・持ってきた爆弾じゃ足りなすぎる・・・
「くそッ!ここまでなのか・・・・」
「ん・・・・タ・・・さん・・・タクトさん・・・」
胸のあたりから声が聞こえてきた。
「な、なんだ!?」
慌てて俺は声の主を探す。
「あ、あった!これは・・・・スピーカー・・・・」
なんでこんなものが・・・
「タクトさん・・・聞こえていたらそのままで聞いて下さい」
ミントの声が俺が安心させてくれた。
「タクトさんは今すぐその船から逃げてください」
なんだって!?
「おいおい、逃げるって・・・・一体どういうことだよ!」
「今からエルシオールを黒き月へ突撃させます。
「おい!聞いてるのか!聞こえてるなら返事をしてくれ!」
そんなことしたらミントたちが・・・・
「やめろ!そんなことしたら君たちまで犠牲になるじゃないか!
もう誰もにも死んで欲しくないんだ!」
「タクトさん・・・・私を愛してくださって本当に嬉しかったですわ・・・」
ミント・・・・
「私はタクトさんから愛を頂いて強くなれました・・・・今も私の中でタクトさんが溢れていますわ」
「俺だって愛してるよ・・・・」
誰よりも愛してるよ・・・
「愛する人を死なせるわけにはいきませんわ!だから・・・・だから早く逃げてください!」
ミント・・・
「返事はしなくてもいい・・・・とにかく聞いてくれ・・・」
俺は泣き出しそうな感情を抑え話す。
「愛する人を死なせたくないのは俺も一緒だ。ミントが死んじゃったら俺が残されるじゃないか・・・
エルシオールだって動くあてもない・・・危険すぎるよ!」
エルシオール・・・あれさえ動いてくれれば・・・・
「レスターが生きていたんだ・・・・だからこっちは俺たちに任せてミントたちは早く逃げてくれ!」
「タクトさん・・・・本当に優しいお方ですのね・・・・あなたに愛していただいて私は幸せでしたは・・・
タクトさん・・・心から愛していますわ・・・・だから早く・・・逃げてください・・・・」
そういい終えるとプツンと通信が切れてしまった。
「ミント・・・・」
ミントを死なせるわけにはいかない!
「チクショーォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!」
ダダダダダダダダダダッッ!!
俺はわけもわからず部屋を飛び出した。行くあてなんて何もない。
ただ、ミントたちを救いたかった・・・・それだけだった
「ハァッ・・・ハァ・・・・ハァ・・・・」
俺は無我夢中で走った。とくかくレスターと会おう。
考えるのはそれからだ。
「レス・・・・・」
俺はレスターの待つ小型船へとついた・・・・しかし、俺が見たもの・・・・
「ほう、まだ生き残りがいたのか」
「エオニア!」
そこで俺が目にしたもの・・・・それは仲間たちの醜い姿だった。
磔にされ、殴られたのだろうか、身体中に痣が見える。
「貴様ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
叫ぶ前には身体が動いていた。
「うぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!」
俺の右手が火を噴いた。
ドグッ!!
鈍い音が艦内を包んだ。
「ぐはっ・・・・!」
俺は壁に叩きつけられた。
「ふはははははぁ!!愚かな人間よ、
我に牙を向く精神を表して我がエオニア使える気はないか?」
エオニアの甲高い笑い声に怒りを覚えながらも意識は薄れていった・・・・
俺は・・・・・何もできないのか?目の前に仲間たちがいるというのに助けられない・・・・
俺は・・・・俺は・・・
「タ、タクトさん・・・・」
「!?ミント、ミントなのか!」
ミントの声が俺の心に響く。
「ごめんなさいタクトさん・・・私たち、何のお役にも立てなくて・・・・」
「そんなことはない!絶対に・・・・誤るのは俺のほうだよ。司令官である俺が
部下の君たちを助けられなくて・・・・司令官失格だよ」
「いいえタクトさん、私たちエンジェル隊はあなたのことを本当に好きでしたわ・・・・
蘭花さんなんてラブレターを書いていましたもの・・・・」
情けないよな・・・・助けられなかった仲間・・・助けられている俺・・・・
ちくしょー・・・・ちくしょー・・・
「タクトさん・・・・聞いてください。只今エルシオールはエオニア軍の
手にあります。しかしそこを利用するのです・・・」
エルシオールがエオニアの手に堕ちているのならもう打つ手がないじゃないか・・・・・
「いいえタクトさん・・・・タクトさんならできますわ。エルシオールに積んである
ロストテクノロジーを爆発させるのです」
「それじゃあみんな巻き添えを・・・・」
「もともとそのつもりでしたわ・・・・タクトさんだって同じじゃありませんか・・・」
ミントの表情を見ると、無理して笑っているようだった・・・
「そんな・・・そんな悲しい笑顔を見せないでくれ!」
俺は立ち上がりエオニアを睨む。
「なかなか見込みのある男ではないか。さすがはエンジェル隊司令官だな。
しかし、人一人助けられない男になにができる?泣くことか?怒ることか?
それとも自分だけが助かろうとすることか?ふっ、どれにしても愚かなことだ」
エオニアの言葉が痛々しく胸に突き刺さる。
しかし・・・・俺はみんなを・・・・みんなを信じている。
「エンジェル隊のみんな!俺の頼みを聞いてくれるか!?
ごめん・・・・一緒に死んでくれ!!」
「ふははははははは!!それが貴様の答えか、実に面白い!」
俺はみんなを信じてるよ・・・・
「タクトさん・・・・喜んでご一緒させていただきますわ!」
「もっとマシなデートの誘い方はないのかい?司令官どの」
「ミルフィーユ・桜庭!頑張ります!」
「ありがとう・・・・みんな!ほんじゃちょこっと待ってて〜♪」
これから死ぬ運命にあるというのに俺はなぜだか落ち着いていた。
レスターが殺されたと言うのに俺は・・・・
「あ、あれ?俺・・・・泣いてるのか?」
視界がぼやけてよく見えなかった・・・・
エルシオールが保管されている場所につく。
そこには何人かの兵士が見えたが、俺は気にしなかった。
ゴキッ!ドフッ!バキッ!
幾度となく兵士をなぎ倒し、エルシオールへと向かう。
半壊しているエルシオールに入るのは一苦労だった。
「懐かしいな・・・・」
俺はやっとの思いでブリッジに着いた。
そっと愛着のある椅子へと腰を落とす
「コレで最後か・・・・本当にありがとう・・・・みんな」
最後まで俺は平常心だった。
「エンジェル隊のことを本当に好きでいらっしゃるからですわ」
「そうなのかな?なんだか照れくさいな・・・・」
「きっとタクトさんのことでしょうから椅子に座って思いふけってるのではないでしょうか?」
俺ってそんなに単純なのかな?
「こっちはなんとかエオニアから解放されましたわ・・・
多分、タクトさんの行動を見届けたいそうです。シヴァ皇子も無事ですわ。」
「ああ、それじゃあ期待に答えてあげないとな・・・・」
「タクトさんと出会えて本当によかったですわ・・・」
「おいおい、最後の別れみたいなことを言わないで欲しいな〜、
そうそう、首の後ろを2回叩くようみんなに言ってくれないか?」
「ええ、わかりましたわ」
俺はなにがあっても君たちの司令官なんだ・・・部下を死なせはしないよ・・・・
「なんですのこれは!?」
「それ?高性能バリアってやつ」
「いったいなにをお考えですの!?」
「コレは俺にとっての罪滅ぼしなんだよ」
レスター、蘭花、ヴァニラ・・・・
すぐに行くから待っててくれよ・・・
「やめてくださいタクトさん!先ほどの頼みはなんだったんですの?」
「俺は『最後』とは言ってないよ・・・ちょっと卑怯かな?」
「いいえ、タクトさんらしいですわ・・・・」
「ミント・・・・みんなに伝えてくれ、一生懸命生きてくれって・・・・」
俺はそっと目を閉じ、そのスイッチを押した・・・・・・・
あれからもう10年・・・・あなたのおかげで『黒き月』は消滅、シヴァ皇子が王の座に・・・・
この子も10歳になって・・・・あの人に見せてあげたかったですわ・・・
「あなた・・・・あの子も元気に育っていますわ・・・みなさんと一緒に暮らすようになって
本当に幸せですわ・・・でも、やっぱりあなたがいないと私は満たされませんわ」
私ったらまた愚痴をこぼしてしまいましたわ。
「ちょっとミント!何やってんだい?早くこっちを手伝っとくれ」
「はい!只今〜♪」
その事件は夕食の時におこった・・・・
「このところ胸がもやもやすることが多いんですの・・・年かしら?」
「おいおい、ミントはまだ26だろ?あたしゃもうみそじ越えてんだよ?」
「もうあれから10年も経つんですね〜はやいですよね〜」
本当に早かった・・・・あなたがいない毎日がとてもつらくて何度も死にかけました・・・
でも、いつかはあなたに会える・・・・そう信じて生きてきましたわ。
「いいえ、私は今日で26歳を卒業ですわ♪」
「これでみそじへまた一歩近づいたわけだ!はははっ〜」
「おめでとうございます♪そうそう!アップルパイ作ったんですよ☆
みんなで食べましょうよ!」
おめでとう・・・・ミント
「!?今の声は・・・・・」
「ん?どうした?」
「もしかしておいしくなかったですか!?しくしく〜」
「いいえ、なんでもありませんわ」
まさか、まさかそんなことは・・・・
そのとき・・・・
ブー・・・・
っとインターホンが響く。
「私が出ますわ、ちょっとお待ちください」
今では珍しくあまり見かけない手動の扉をそっと開ける・・・
「ただいま・・・ミント・・・誕生日おめでとう・・・・・」
歯車は一つでは意味がない、歯車は二つあってこそ本当の役目を果たすのじゃ・・・・
ルフト先生は正しかったのですね・・・・
空回りしていたわずの歯車が本当の役目を果たそうとしている・・・・
あなたという存在・・・・私の心を動かしてくれるもう一つの歯車・・・・
ゆっくりと歯車は動き始める・・・・空白の時間を巻き戻すかのように・・・・
                              FIN



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