女体盛りロストテクノロジー和え(アルティメットエディション)

※注意書き

今までとはココが違う!

1.ディレクターズカット版の後、かなり書き足しました。でも、エロ自体は薄いかも。スマソ。
2.その他、ちょっとだけセリフを変えたりしているぞ。ディレクターズカット版を保存している方は、
比べてみると面白いかもしれないぞ!(注:面白くありません)



 ロストテクノロジーの回収を終え、エンジェル隊の面々は、宇宙屋台でラーメンを食べて行く事にした。
 さっそく屋台の暖簾をくぐると、端からミルフィーユ、蘭花、フォルテ、ミント、
ヴァニラ(そしてノーマッド)の順番に腰を降ろす。
「オヤジ〜、宇宙ラーメン5つ頼むよ」
 慣れた様子でフォルテが注文をする。
「あいよ、宇宙ラーメン五丁。まいどあり〜」
 親父の威勢の良い声が屋台の中に響き、手際良く調理が開始される。
「へい、お待ち〜」
 ほどなくして、ラーメンが彼女たちの前に差し出された。
「わ〜、おいしそう。いっただっきま〜す」
 律儀に両手を合わせていただきますを言うと、ミルフィーユは麺を口に運んだ。
「うわぁ、おいしいですぅ」
「あ、ミルフィーユ、ちょっとコショウ取ってくれる?」
 おいしそうにラーメンをすするミルフィーユに、蘭花が声をかける。
「コショウですか〜? え〜と、どこに……。あ、あったぁ! ハイ、蘭花さん」
 ミルフィーユはコショウらしき物が詰まった瓶を蘭花に手渡した。
「サ〜ンキュ〜。そ〜れっと」
 瓶を受け取った蘭花は、その中身をドバドバとラーメンにふりかけた。
 さすがに激辛好きの蘭花と言えようが、その量の多さに、隣に座っているフォルテは顔をしかめる。
「アンタかけ過ぎだよ。ホラ、アタシにもコショウ回しとくれ」
「は〜い」
 瓶の中身をタップリとふりかけ、蘭花はフォルテに瓶を手渡した。
「半分近く無くなってるじゃないか、ったく……」
 フォルテは瓶の中身をふりかけようとして、ふとその手を止めた。
「どうかいたしまして、フォルテさん? 使わないのなら、コショウを貸していただけませんか?」
 コショウの瓶を持ったまま考え込み始めたフォルテを、ミントが不思議そうに見つめる。
「何か、このシチュエーションに強烈なデジャヴを感じるんだが……。ミント、回収したロストテクノロジー、
オマエが持ってるんだよな?」
「へ? わたくしは持ってませんわ。アレは直接回収したヴァニラさんが持っているのでは……」
 ミントは不安げに隣のヴァニラを見た。当のヴァニラは無表情でラーメンをすすっている。
「ヴァニラ、オマエがロストテクノロジーを持っているのか?」
《何言ってるんですか。確かに回収したのはヴァニラさんですが、その後、現場責任者であるフォルテさんに、
ちゃんと渡してたじゃないですか!》
 ヴァニラが答える代わりに、その隣に置かれていたノーマッドが口を挟む。
「あれ? そうだったっけか?」
《まったく、アナタ方はどうしてそういい加減なんですか! ちょっとはヴァニラさんを見習って……》
「ああ、そうだ! 確かにアタシが預かったけど、任務完了の報告をする時、蘭花に預けたよな?」
「え、そうだったけ〜?」
《……無視かよ》
 ボヤくノーマッドを尻目に、蘭花は己の記憶を辿った。
「あ! 確かアタシが預かった後、ミルフィーユが見たいっていうから渡したわよね?アンタ、アレどうしたの?」
「え? ちゃんと持ってますよ〜って、あれ〜? どこに入れたんだっけ……」
 ミルフィーユは軍服のポケットをゴソゴソとまさぐった。
「あ、ここに置いたんだった〜。ハイ、どうぞ」
 満面の笑みを浮かべながら、ミルフィーユはテーブルに置いてあった瓶を差し出した。
 その瓶には『コショウ』と書いたラベルが貼ってあった。
「ミルフィーユ、それ『コショウ』って書いてあるけど……」
 何となく、イヤな予感を感じた蘭花は、冷たい目でミルフィーユを見つめる。
「ほえ? あ、そっちの瓶でした〜」
 状況が飲みこめていないミルフィーユは、のん気にフォルテが手にした瓶を指差した。
「ちょ、ちょっとミルフィーユ! アンタさっきコショウ取ってって頼んだ時、この瓶を渡したわよねぇ!」
「あ、間違えちゃいました〜」
「アンタねぇ! 前にもこんな事あったじゃないの!! どうしてくれんのよ! アタシ食べちゃったじゃない!!」
 蘭花は握り拳でミルフィーユの頭を挟みこむと、グリグリと折檻した。
「ふえ〜ん、わざとじゃないですぅ〜」
「わざとだったら、この程度で済むかーーーーーっ!!!!」
 さらに折檻を続ける蘭花に、ミントは冷ややかに声をかけた。
「でも、前回と違って、被害者は蘭花さんだけなのが不幸中の幸いですわね」
「ミント! アンタねぇ……」
「まあ、落ち着け蘭花。とりあえず、急いで帰って検査だ。
どんな影響が出るか判ったモンじゃないからな。ホラ、行くよ、みんな!」
 フォルテは自分のラーメンを一気にかきこむと、代金を支払って紋章機に乗り込んだ。
「ふえ? わたし、まだ食べ終わってません〜〜〜!」
「ミルフィーユさん、状況が判ってます?」
 ハンカチで口元をぬぐいながら、ミントも軽やかに紋章機へ戻る。
「ごちそうさまでした……」
《ああ、本当ならヴァニラさんは、感謝を込めてもっと味わって食べるというのに、
人騒がせな人たちのために、こんなに急いで食事をするなんて。ヴァニラさんが消化不良でも
起こしたらどうするつもりなんですか! まったく……》
「カキ込みご飯……」
 ぼやくノーマッドを抱え、ヴァニラもまた機内へ戻った。
「あぁん、待ってくださいよ〜」
 名残惜しげにラーメンを残し、ミルフィーユも慌てて追いかけてゆく。
『蘭花、早くしな!』
 クロノクリスタルを通して聞こえるフォルテの声に、蘭花はガックリと肩を落とした。
「なんでアタシだけ〜〜〜〜っ!! アタシって宇宙一不幸な美少女よ〜〜〜〜〜〜っ!!!!」
 蘭花の魂の叫びをこだまさせ、エンジェル隊一同は基地への帰路を急いだ。
 数日後。
「調査の結果が出ましたわ」
 資料のファイルを抱えて、ミントがエンジェルルームに入ってきた。
 あれから急いで帰還したエンジェル隊は、大慌てでロストテクノロジーの調査を依頼し、
それと同時に蘭花に各種検査を受けさせた。
 検査の結果、身体的な変化は何一つ見られず、ひとまずはホッと胸を撫で下ろした蘭花で
あったが、ロストテクノロジーの正体が判らないうちは、安心出来ない。
「あ、アレって一体何だったの? アタシどうなっちゃうの!?」
 蘭花はあたふたとミントに駆け寄った。
「え〜っとですね。結論から申し上げれば、アレを使用した事により、肉体的な変化は
起こりませんわ。前のように透明になったりはしない、という事ですわね。ただ……」
「ただ、何よ? 勿体ぶらずに早く教えてよ!」
「ええ、アレは肉体ではなく、精神に作用するようですの。アレを摂取した人間は、
『ジェンダーリバース現象』を起こすらしいですわ」
「じぇ、じぇんだー……何だって?」
「『ジェンダーリバース現象』まあ、カンタンに言ってしまえば、アレを摂取した人間は、
物の見方や考え方が、男性化ないしは女性化してしまうという事ですわ」
「え〜と、つまり……?」
《つまりはですね、ロストテクノロジーの影響で、蘭花さんの精神が男性化するって事ですよ》
 察しの悪い蘭花に、ノーマッドが結論を述べる。
「それはアレかい。前にアタシがヒドイ目にあったロストテクノロジー箱みたいなモンかい?」
 フォルテは過去の嫌な記憶を甦らせながら言う。
「そうですわね。アレに近い物ですわ。あの時、フォルテさんは肉体が男性化しても、心は女性の
ままでしたが、今回はアレの逆バージョンだと思っていただければ」
「え〜、じゃあ、アタシ男になっちゃうワケ〜!? そんなのイヤ〜っ!!」
 蘭花は頭を抱えてさめざめと泣くと、キッとミルフィーユを睨み付ける。
「ミルフィーユ〜、アンタのせいでこんな事になったのよ〜っ!!」
「ふえ〜ん、ごめんなさ〜い。ケーキのイチゴあげますから、許してくださ〜い」
「アタシは子供か!?」
 蘭花は素早くミルフィーユが食べていたケーキからイチゴを奪って口に放り込むと、
再び握り拳でミルフィーユの頭を挟み、グリグリと折檻した。
 その様子を見ていたミントは、ふと何かに気付いた。
「でも、あんまり変わってるようには見えませんわね?」
「言われてみりゃあそうだなぁ」
 フォルテもミントの言葉に頷く。
「二人とも、それどういう意味!?」
 ミントたちの会話を耳ざとく聞きつけた蘭花はミルフィーユにヘッドロックをかけたまま、二人に詰め寄った。
「いや、だからさ。精神がオトコになってる割に、普段のアンタとあんまり変わらないと思ってさ」
「正直な所、違和感ゼロですわ」
「変わらぬ事は良き事かな……」
《アレですね。元々蘭花さんの精神は男っぽいというか、男そのものという事ですね。
これでアナタの言動がやたらに乱暴なのも説明がつきます。ヴァニラさんの爪の垢でも飲めば、
ちょっとは女らしくなれたというのに、つくづく愚かな人ですね、アナタは。あ、何をするんです!? 
うわぁぁぁぁぁぁっ!!》
 銀河の果てまで飛んで行け、といわんばかりの勢いでノーマッドを蹴飛ばし、
蘭花は力尽きたようにその場へ座り込んだ。
「やっぱりアタシってチョー不幸〜!」
 ミルフィーユへの折檻の手を止め、蘭花は再び泣き始めた。
 その蘭花の前へ、ヴァニラが歩を進める。
「何? ヴァニラ……」
「神のお告げがありました。すべてはあるがままに……。受け入れれば吉です。
それでは、お祈りの時間ですので……」
 そう言って壁際に転がったままのノーマッドを拾い上げると、ヴァニラは自室に向かった。
「受け入れられるかっての! ああ、わたしも神頼みでもしたい気分だわ……」
「まあ、前の透明化の時だって、時間が経てば元に戻ったんだし、大丈夫だって」
 さすがに憐れに思えてきたフォルテは、蘭花を元気づけようと、ことさら明るい口調で言う。
「だから心配すんなって。効果を消す方法だって研究してるんだからな」
「フォルテさぁん……」
「とりあえず、アタシらは定期パトロールに行ってくるから、アンタは休んどきな。
ミルフィーユ、オマエも残って書類の整理しときな。まだ終わってないんだろ?」
「え〜書類整理ですかぁ。……わかりました〜」
「よっし、行くよ、ミント」
「了解ですわ」
 フォルテはミントを伴い、紋章機の格納庫へと向かった。
 
 30分ほど経ち、少し落ち着きを取り戻した蘭花は、手持ち無沙汰なのもあり、ミルフィーユの書類整理の手伝いをしていた。
 そこへ、ウォルコットが姿を現した。
「おや? 蘭花さんとミルフィーユさんだけですか?」
「え、何〜ウォルコット中佐〜」
 蘭花は気だるげにウォルコットを見る。
「いえ、ちょっと急ぎの仕事が入りまして、今すぐ惑星スミッコまで行ってもらいたいのですが」
「え〜、惑星スミッコっていったら、銀河辺境のさらにヘンピな所じゃないですかぁ。
アタシ、ロストテクノロジーの影響で、大変な事になってるんですよ〜」
 膨れ顔で不平を述べる蘭花だが、ウォルコットもその辺りは飲みこめていた。
 蘭花に近付くと、そっと耳打ちする。
「事情は聞いています。ところで蘭花さん。惑星スミッコは、去年大型リゾート惑星になったのはご存知ですか?」
「へ? う、うん、話は聞いてるけど……」
「確かに遠い星なので、そうそう行く機会も無いでしょうが、紋章機ならひとっ飛びですよね?」
「それはそうだけど……中佐、何言って……」
「まあまあ、話は最後まで聞いてください。ロストテクノロジーで精神が男性化しているという事ですが、
もしかしたら女性的な心を持ち続ける事で、影響を打ち消す、あるいは対処法が見つかるまで、
効果を遅延させる事が出来るかもしれませんよ?」
「そうかなぁ……? そうだとしても、それと今度の仕事とどう関係あるのよ?」
「判りませんか? 場所はリゾート惑星です。お金持ちのイイ男がたくさんいるかも……」
「蘭花・フランボワーズ、ただちに惑星スミッコへ向かいまぁす」
 金と男に目が眩んだ時独特の甘ったるい声を発し、蘭花はエンジェルルームを飛び出した。
「あぁん、待ってくださいよ〜。わたしも行きます〜」
 その蘭花を慌てて追いかけるミルフィーユ。
 
 かくして蘭花とミルフィーユは惑星スミッコへ向かった。
 しかし、蘭花をはじめ、エンジェル隊の全員は気付いていなかった。
 蘭花にロストテクノロジーが作用するのは、これからだという事に……。

「え〜、もう終わり〜」
 蘭花は力いっぱい文句を言った。惑星スミッコに到着して早々、ミルフィーユの強運で、あっという間に仕事が片付いてしまったのだ。
「これじゃあ、イイ男と出会うヒマなんて無いじゃない……」
 ガックリと肩を落とし俯いた蘭花の視界に、一枚の紙片が飛びこんできた。
「何、これ? 福引券……? ああ、アレね」
 蘭花はすぐ近くにリゾート惑星には不釣合いな福引所があるのに気付いた。
「1等は……この星の高級ホテルに無料招待〜!? しかも、1週間!! ちょっと、ミルフィーユ!!」
 蘭花はすでに紋章機に乗り込もうとしていたミルフィーユを呼び寄せる。
「ほえ? 何ですか、蘭花さん?」
「アンタの強運の見せ所よ! この券で見事に1等をゲットしてきなさい!!」
「1等ですか? う〜ん、よく判りませんけど、判りました〜」
 ミルフィーユは福引券を受け取ると、お気楽に福引所へ向かった。すぐに当選を示す鐘の音が聞こえてくる。
「当たったの!?」
 蘭花は目を輝かせて、戻ってきたミルフィーユに詰め寄った。しかし、ミルフィーユは浮かない表情を浮かべていた。
「ふえ〜ん、ごめんなさ〜い。1等は当たらなかったですぅ」
「えーっ!? 肝心な時に役に立たないんだから! で、何が当たったの?」
 憮然として蘭花はミルフィーユに問う。
「1等じゃなくて、特等が当たったんですぅ」
「特等? まったく、それじゃ意味無いじゃない……って、特等!?」
蘭花は大慌てで賞品の一覧を見た。1等は高級ホテル1週間無料招待であったが、
なんと特等は『超』高級ホテル1週間無料招待であった!
「ミルフィーユぅ、アンタ偉い!!」
 感極まり、蘭花は思わずミルフィーユに抱きついた。
「え? 1等じゃないですよ?」
「そんなのイイの〜。さあ、行くわよ、ミルフィーユ!!」
 蘭花はミルフィーユの手から特等の目録を受け取り、踊るような軽やかな足取りでそのホテルへ向かった。

 さっそくチェックインを済ませた蘭花とミルフィーユは、ホテル最上階の高級スウィートルームへ通された。
 今まで見た事も無いような豪奢な部屋の造りに、蘭花は胸をときめかせた。
「もうサイッコー! こんなゴージャスなホテルで1週間も過ごせるなんて、蘭花幸せ〜」
 蘭花は思い切りよく、ベッドに飛び付いた。羽のようにフカフカなマットに身を沈め、ゴロゴロとベッドの上を転がった。
「ん〜キモチイイ〜。って、ミルフィーユ、何をそんな所で突っ立ってんのよ?」
 蘭花は居心地悪そうに立ったままのミルフィーユに声をかけた。
「あの〜ホントに連絡入れなくて良いんですかぁ?」
「あん? いいのいいの。元々、今回の仕事の期限も1週間なのよ。それが1日で終わって、その後すぐにホテルの無料招待が当たったんだから、
これはもう、神様がアタシたちにゆっくり羽を伸ばしなさいって言ってるも同然よ!」
 ベッドから身を起こした蘭花はそう言いきって、ルームサービスのメニューを手に取った。
「でも〜。やっぱりみんなに悪いですよ〜。帰りましょうよ〜」
「まったく、ヘンな所で真面目なんだから。ミルフィーユ、これを見なさい!」
 蘭花はメニューをミルフィーユの前に差し出す。そこには、色とりどりのお菓子の写真が掲載されていた。
「わぁ、おいしそう〜」
 ミルフィーユは目を輝かせて、その写真に見入った。
「このホテルのオリジナル日替わりデザート7種よ。これ、食べたくない?」
「食べたいです〜。全部おいしそう〜」
「これを全部食べようと思ったら、1週間このホテルに泊まらないとダメなのよ?で、ミルフィーユ。どぉぉぉぉぉしても帰りたい?」
「1週間、ゆっくりしていきましょう! 蘭花さん」
 満面の笑みでミルフィーユはホテル滞在に同意した。
「そうこなくっちゃ! ホラ、そんな所にいつまでも立ってないで、いい加減座ったら?」
「は〜い。うわぁ、ベッドもフカフカですぅ」
 先程までの居心地の悪さはどこへやら、ミルフィーユはベッドの上に座り込むと、メニューとにらめっこし始めた。
(まったく、扱いやすいんだから……)
 蘭花は再び寝転がり、見るともなしにミルフィーユの様子を窺った。
(…………あれ? ミルフィーユって……)
 蘭花は上半身を起こし、ミルフィーユの方へ向き直った。
「ミルフィーユ、ちょっとアタシの正面に立ってくれる?」
「へ? 何ですか?」
 ミルフィーユは不思議そうな表情を浮かべつつ、言われるままに蘭花の正面に立った。
「ミルフィーユ、アンタさぁ……何げにスタイル良いよねぇ……」
 蘭花はしげしげとミルフィーユを見つめた。
「アタシやフォルテさんほどじゃないけどさぁ、胸だって結構大きいし、腰なんかキュッてしまってるし、オシリの形もキレイだよねぇ……」
「え? え? な、何ですか? そんなにジロジロ見ないでくださいよぉ。恥ずかしいですぅ……」
 恥ずかしげに頬を赤らめ、ミルフィーユは少し後ずさった。
「何て言うかさぁ。アンタの制服って、身体のラインが出て、ミョーな色気があるのよねぇ」
 ミルフィーユの言葉など耳に入ってないように、なおも蘭花は舐めるように全身を眺め回した。
「アンタさぁ、何かダイエットとかしてる?」
「いえ、何もしてないですよ」
「あれだけ甘いモノ食べてる割に、アンタ太らないわよねぇ……」
 ネットリとした視線をミルフィーユの身体に這わせ、蘭花はゆっくりと立ち上がった。
「ほんと、イイ身体してるわぁ……」
 どこかうつろな目付きで蘭花はミルフィーユを見つめた。その手がミルフィーユの肩まで伸び、撫でるように腰の方へ動いてゆく。
「ら、蘭花さん!?」
「え? あ、ああ……」
 蘭花はハッと目を見開き、慌ててミルフィーユから離れた。
「あ、アタシお風呂入ってくるわ!」
 蘭花は取り繕うように言うと、急いでバスルームに駆け込んだ。
熱いシャワーを浴びながら、蘭花は今しがたの自分の行動を思い返していた。
(何、さっきの気持ちは……? ミルフィーユの事見てたら、アタマがボウっとしてきて、ヘンな気分になってきて……。
ヤダ、何でこんなにムラムラした気持ちになるの!?)
 蘭花は身体の奥から湧き上がってくる、熱い情欲のような気持ちを抑えようと、シャワーを湯から水へ切り替えた。
 冷たい水が火照った身体を冷ましてゆくが、心の中に生まれた熱い何かは冷える様子が無かった。
(落ち着くのよ、蘭花。リゾート惑星でゆっくり出来る事になって、気分がハイになってるだけ。
そうよ、別にアタシはミルフィーユに欲情してるワケじゃ……)
「あのぅ、蘭花さぁん……」
 懸命に頭を冷やそうとする蘭花に、ミルフィーユがバスルームの外から声をかけてきた。
「な、何、ミルフィーユ!?」
「あのぅ……大丈夫ですかぁ……?」
 扉越しに聞こえてくるミルフィーユの声は、どことなく心配そうな響きがあった。
「何だか様子がおかしかったし、わたし心配になって……」
「だ、大丈夫よ! こんなゴージャスなホテルで過ごせる事になって、テンションが上がっただけ! そ、そんな声出さないの!」
(そんな声出されたら……余計にムラムラしてくるじゃないの!!)
 扉に背を向けた状態でその声を聞いていた蘭花は、高鳴る胸の鼓動を抑え、あえていつもの調子で答えた。
「じゃあ、何ともないんですね? 良かったです〜」
 そのミルフィーユの声と共に、バスルームの扉が勢いよく開かれた。
 慌てて振り向いた蘭花が見た物、それはタオル1枚を身体に巻いただけで、あとは一糸纏わぬミルフィーユだった。
「な、なななななな、何やってんの!?」
 そのミルフィーユの姿に軽いパニックを起こした蘭花であったが、目を逸らす事が出来なかった。
「色々とお詫びも兼ねて、蘭花さんのお背中をお流ししようと思って」
 そう言いながら、ミルフィーユはにこやかに近付いてきた。
「い、い、いいわよ、別に!」
「遠慮しないでくださぁい。わたし、背中流すの上手なんですよぉ」
 なおも近付いてくるミルフィーユに、蘭花は何も考える事が出来なかった。
 ただ、心臓が早鐘のようにドキドキと鳴り続けていた。興奮により、吐息が荒くなってゆく。
「さあ、座ってください!」
 ミルフィーユの手が蘭花の肩に触れた。
 その瞬間、蘭花は「ひぃっ!?」と悲鳴を上げてしまった。
 ただ肩に触れられただけなのに、今まで感じた事もないような快感が全身を駆け巡った。
「ど、どうしたんですか!?」
 再びミルフィーユが心配気な声を出す。
「な、何でも! 何でも……ないの……」
 蘭花は必死に呼吸を整え、どこか虚ろな口調で答えた。
「ホントに大丈夫ですかぁ?」
「え、ええ! 大丈夫よ……。それじゃあ……アンタの好意に甘えるとするわ……」
 蘭花はそう言って風呂用の椅子に腰掛けた。
 その瞳には、暗い欲情の炎が燃え盛っているのに、ミルフィーユが気付くハズも無かった。


 その頃、エンジェル基地では、フォルテとミントがパトロールから戻ってきた所だった。
「うぉ〜い、帰ったぞ〜って、誰もいないのかい?」
 フォルテは誰もいないエンジェルルームを見回した。
 そこに再びウォルコットが入って来た。
「ああ、フォルテさん、ミントさん、おかえりなさい」
「中佐、蘭花とミルフィーユはどうしたんだい?」
「ああ、お二人なら……」
 ウォルコットは急ぎの仕事が入った事を、手短かに説明した。無論、リゾート惑星云々の話は伏せてあった。
うかつに話せば、彼女らも後を追いかけかねないからである。
「ふ〜ん。しかし中佐、蘭花のヤツ、よく承知したね。アイツの性格から、今の状態じゃまともに仕事しないと思ってたんだが」
「え、ま、まぁ……身体を動かしている方が気が紛れると思ったのでしょう。ア、アハハハ!
そ、そうそう、ミントさん! ロストテクノロジーに関する調査報告の追加データが来てますよ」
 ウォルコットは取り繕うように言いながら、上着のポケットからディスクを1枚取り出し、ミントに手渡した。
「それでは私、これから幹部会議がありますので」
 そう言い残して、ウォルコットは逃げるようにエンジェルルームを出て行った。
「な〜んかアヤシイねぇ……。あのジジィ、何か隠してやがるな」
 フォルテは疑わしげにウォルコットが出て行ったドアの方へ視線を向けた。
「まったくですわねぇ……アヤシイですわ」
 ミントは相槌をうちながら、渡されたデータに目を通した。
「あのロストテクノロジーの解析がさらに進んだようですわね。これで蘭花さんを元に戻す手立てが見つかると良いんですけど……あら?」
 データを検索していたミントは、不意に妙な声を挙げた。
「ん、どうしたい、ミント? 素っ頓狂な声出して」
「あら……あらあら〜これはビックリですわ」
 ミントは少し困ったような表情を浮かべ、データを眺める。
「何だい、何がどうしたって?」
「いえ、あのロストテクノロジーなんですけど……。蘭花さんに影響が出てるようには見えませんでしたわよね?」
「そうだなぁ。いつも通りっつうか、なんつうか……。それがどうした?」
「影響が出てる様子が見られなかった理由が判ったんですの。あのロストテクノロジー、まだ完全に作用してなかったんですわ」
「あん? どういう意味だい?」
 フォルテは怪訝そうな顔付きで、ミントの見ていたデータに目を通した。
「ん〜、このデータによると、アレが作用するには何らかのキッカケが必要って事みたいだな」
「そうですわ。具体的に言えば、性的興奮が引き金になるようです。それを誘発する為に、特殊なアドレナリンを分泌させ、
少しずつ興奮状態に持って行き、その……所謂『発情』させる事により、一気に精神を変調させるワケですわ」
「てコトはアレかい? あの時の蘭花は、まだ発情する前段階で、これからガツンと来るって事か」
「そうなりますわね。今頃は、一緒にいるミルフィーユさんに欲情しているかもしれませんわ」
 そのミントの言葉は、的確に蘭花たちの現状を捉えていたのであった。


「ありがとう、ミルフィーユ。とってもキモチ良かったわ……」
「えへへ〜、どういたしまして」
 蘭花の背中を流した事が喜ばれたようで、ミルフィーユは満面の笑みを浮かべていた。
「お礼に、今度はアタシがアンタの背中を流してあげるわ」
 蘭花は椅子から立ち上がり、ミルフィーユに座るよう促した。
「え? そんな〜、悪いですよぉ。元々お詫びのつもりだったんだし……」
「いいからいいから。ホラ、早く座って、タオル取りなさい」
 蘭花は半ば強引にミルフィーユを座らせ、その体を覆っていたタオルを取り去った。
 剥き出しになったミルフィーユの背中に、蘭花はゴクリと唾を飲み込む。
「じゃ、じゃあ、お願いします〜」
 これ以上固辞するのも失礼だと思ったか、ミルフィーユは胸元を隠しながら、蘭花の方を見た。
「ウフフ、と〜ってもキモチ良くしてあげるからね〜」
 蘭花は何やら怪しげな眼差しでミルフィーユの肌を見つめつつ、手に持ったタオルにボディソープを塗りつけ、ミルフィーユの背中を擦り始めた。
「あ、あ〜、そこキモチ良いです〜」
 背中を流されているミルフィーユは、のんきな声を上げる。背後では、その声に反応して、蘭花が舌舐めずりした事など、もちろん気付いていない。
「そんなにキモチ良い〜?」
「はい〜。蘭花さん、上手です〜」
「じゃあ、ついでに髪も洗ってあげるわ」
 蘭花はシャワーでミルフィーユの髪を濡らすと、シャンプーで優しく髪を洗い始めた。
「ふに〜、キモチ良いですぅ〜」
 ミルフィーユはうっとりとした声を上げた。
「そんなにキモチ良いの? だったら、こんなのはどう……?」
 蘭花は再びボディソープを泡立たせ、それを自分の体に塗りたくった。
 そして、ミルフィーユに抱きつくと、泡にまみれた豊かな乳房を、その背中に押し付けた。
「ひゃっ!? ら、蘭花さん!?何してるんですかぁ!?」
 シャンプーで視界を塞がれている時に、突然、背中に柔らかい物を押し付けられ、状況が判らないミルフィーユは軽いパニックを起こした。
「だぁ〜いじょうぶ、と〜ってもキモチ良い事してあげるだけだからね〜」
 言いながら、蘭花は密着させた体をクネクネと上下に動かし始めた。
「ひゃっ…ひゃあっ!? な、な、何か……ヘンな感じですぅ……」
 背中のラインに合わせて変型する乳房が背中を這い回る感触に、ミルフィーユは体の内からゾクゾクとした快感が湧き上がってくるのを感じていた。
「ひゃ、ひぃ……あ、あぁん……」
 固く突起した蘭花の乳首が背筋を撫でる度に、ミルフィーユの口から甘い呻き声が漏れ始めた。
「フフ〜ン、キモチ良いのぉ、ミルフィーユぅ〜」
 蘭花はミルフィーユの耳元に顔を寄せてそう囁き、耳朶にフ〜っと息を吹きかける。
「ひゃあんっ! ら、蘭花さぁん、やめてください!」
 ミルフィーユは身を捩って逃れようとするが、元より腕力で蘭花に勝てるはずもなく、体を動かす度に密着した乳房が背筋を刺激し、全身から力が抜けてゆく。
「アンタ、なかなか感度良いじゃない。こんなのはどう?」
 蘭花はミルフィーユの耳朶を甘噛みしつつ、ベロリと伸ばした舌先で、耳腔をコチョコチョとくすぐった。
「あ、ダメぇ……」
 ミルフィーユは蘭花の手を掴み、何とか振り解こうとするものの、簡単に手を払われた。
「ホラ、暴れないの! も〜っとキモチ良い事してあげるから……」
 蘭花は全身にまみれた泡を両手にたっぷりと付け、ミルフィーユの腹部にあてがった。そして、ゆっくりと撫で回しつつ、上の方へ手を移動させる。
「さあ、オッパイを洗ってあげるわね〜」
 蘭花はミルフィーユの乳房を撫で回し、やがて揉みしだき始めた。
「あ、やぁん……あふぅ……も、もう……やめて……くださぁい……」
 ミルフィーユは荒い吐息で哀願した。しかし、当然の事ながら、蘭花は許してくれはしない。
「"やめてください"なんて嘘つかないの。キモチ良いんでしょ〜。もっとしてほしいんでしょ〜」
「そ、そんな事……ないですぅ……こんなの……ヤですぅ……あ、あぁん……!」
 ミルフィーユは懸命に声を振り絞って蘭花の言葉を否定した。しかし、その愛撫により、快楽の喘ぎが出るのを止める事が出来ない。
「……ふぅん。だったら、なんでココがこんなにコリッコリなのかなぁ〜?」
 蘭花はわざとイジ悪い声を出し、ミルフィーユの乳首を摘みあげた。
「ひゃあっ!?」
「ホラホラ、乳首こんなにカタくして、キモチ良くないなんて言われてもね〜」
 蘭花は言いながらミルフィーユの乳首をコリコリと指で転がす。
「あ、あ、だ、だめぇ、そこ……ダメですぅ……」
 ミルフィーユはハァハァと息を弾ませ、蘭花の手を払おうとするが、まるで力が入らなかった。
 口では否定しつつも、ミルフィーユの身体はすでに蘭花の与える快楽を受け入れつつあった。
「コッチはどうかしら〜」
 蘭花は右手でミルフィーユの乳首を刺激しつつ、左手を下半身に伸ばし、その秘所に触れた。
「あ、だめぇ!!」
「や〜っぱり。もうグッチョグチョ〜。これ、お湯だけじゃないよねぇ。だ〜って、こんなにヌルヌルでネバネバ〜」
 蘭花はミルフィーユの髪にシャワーの湯を浴びせてシャンプーを落とすと、顔を拭いてやりながらも、その眼前に自らの左手を突き付けた。
「ホラ、見てみなさいよ。こんなにネバネバなんだから」
 蘭花は指と指の間で糸を引く愛液をミルフィーユに見せ付ける。
 ミルフィーユは真っ赤になって顔を背け、これ以上の愛撫から逃れようとするように、身体を丸めた。
「も〜、まだ認めないワケ〜。アンタ、感じてるんでしょ〜? ホォラ!」
 蘭花は自分も椅子に腰を下ろすと、強引にミルフィーユの上半身を上げさせ、右手で乳首を転がした。
「乳首もコリッコリでぇ……」
 蘭花はスラリとした両足をミルフィーユの足に絡め、無理やり大股開きの格好をさせた。
「うわぁ、クリトリスもカッチカチじゃない。これで感じてないなんて、絶対にウ・ソ!」
 蘭花は固く勃起したクリトリスを指の腹でこねくり回した。
 そして再び身体を密着させ、乳房で背中を刺激しつつ、歯と舌で耳を責める。
「あ……や、やぁ……あ、あふぅん……あ、あはぁっ!」
 背筋と耳と乳首とクリトリスを同時に刺激され、ミルフィーユは甘ったるい喘ぎ声を上げ始めた。
「ら、蘭花さぁん、わたし、わたし……あ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
 ミルフィーユは押し寄せるアクメの波に一際大きな喘ぎを上げ、そのまま絶頂を迎えた。
「あ……あぁ…………」
 ミルフィーユはグッタリとバスルームの床に横たわった。
「アハァ、イっちゃったんだ〜。カワイイわぁ〜」
 蘭花は横たわったミルフィーユに手を伸ばした。しかし、弱々しいながら、ミルフィーユはその手を払った。
「ミルフィーユ……?」
「やぁ! もうヤですぅ! わたし、もう帰りますぅ!!」
 ミルフィーユはキッと蘭花を睨み付けた。良く見ると、羞恥に染まったその顔は、うっすらと涙ぐんでいた。
「こんな、こんな事する人だなんて思わなかったです!」
 ミルフィーユは叫びながら、シクシクと泣き始めた。
「ミルフィーユ……」
 さすがに可哀想な気持ちになった蘭花はミルフィーユに触れようとするが、イヤイヤをするようにミルフィーユは身体を捩った。
「触らないでください! イジワルする蘭花さんなんかキライですぅ!!」
「そう……。でも、アタシは好きよ。ミルフィーユの事」
「え……?」
 蘭花の言葉に、ミルフィーユは一瞬、虚を突かれた。
「好きだからイジワルもしちゃうの」
 蘭花はミルフィーユの髪を愛おしそうに撫でた。
「好きよ、ミルフィーユ……」
「!?」
 蘭花はそっとミルフィーユと唇を重ねた。驚いたミルフィーユは逃れようとするが、ガッチリと抱きしめられて、放れる事が出来なかった。
「んん……ん……」
 蘭花は舌を伸ばし、ミルフィーユのそれを絡めとった。
「んん!?」
 口内で蠢く蘭花の舌に、ミルフィーユの思考は次第に麻痺していった。歯の裏をなぞられたかと思うと、激しく舌をスロートされ、また舌と舌を絡めあう。
 蘭花の舌の動きに合わせ、ミルフィーユの身体はビクビクと震えた。
「んふぅ……」
 徐々にミルフィーユの身体から力が抜けていくのを感じ、蘭花は唇を貪りながら、その瞳に満足そうな光を湛えた。
「ふぉら、飲みなはぁい」
 唇を重ねあったまま蘭花はそう言うと、ミルフィーユの口内にタップリと溜めた唾液を流し込んだ。
「ん!? んん……んぐ……んん……」
 ミルフィーユは一瞬口中に流れこんできた唾液に戸惑ったが、咽喉を鳴らしてそれを飲み込んだ。
 この瞬間、蘭花はミルフィーユが『堕ちた』事を確信した。そっと唇を放した。舌と舌の間に唾液のブリッジが出来る。
 ミルフィーユは半ば呆然とした、どこか陶酔したような眼差しで蘭花を見つめた。
「……ミルフィーユ、まだアタシの事嫌い?」
 蘭花の問いに、ミルフィーユはゆっくりと首を横に振った。
「うれしいわぁ。ミルフィーユ、好きよ」
「わたしも……ですぅ……」
「じゃあ、もっとキモチ良い事したい?」
「はい……もっと……キモチ良くしてくださぁい……」
 そのミルフィーユの言葉に満足した蘭花は、再び舌を絡めあう、愛欲の口付けを交し合った。

 蘭花とミルフィーユは一糸纏わぬ姿のままバスルームを出て、そのままもつれるようにベッドに倒れこんだ。
「ウフフ、ミルフィーユ好きよ、大好き……」
 蘭花は唇を重ね、ミルフィーユの口内に舌を差し込んだ。ミルフィーユも舌を伸ばし、貪るように絡めあう。
「ん……んふぅ……んあ……」
 二人はお互いの口内を舐め回し、舌を吸い、唾液をすすり合った。その間にも、蘭花の両手はミルフィーユの全身を愛撫する。
「ああ……」
 甘い声を上げ、ミルフィーユが喘いだ。蘭花のしなやかな指が、ミルフィーユの性感帯を刺激し続ける。
「あぁん、蘭花さぁん……」
 ミルフィーユは潤んだ瞳で蘭花を見つめ、その形もボリュームも申し分無いバストに手を伸ばした。
「あら、ミルフィーユ。アタシをキモチ良くしてくれるの?」
「はい……蘭花さんも……キモチ良くなってください……」
 ミルフィーユは固く勃起した蘭花の乳首を指で挟み、コリコリと転がした。
「あはぁ……イイわぁ、ミルフィーユ……。もっとコリコリしてぇ」
 蘭花は押し付けるように乳房を密着させつつ、ミルフィーユの下半身に手を伸ばした。
「さぁて、ココの具合はどうかしら? やっぱり指1本でもキツキツなのかなぁ〜?」
 蘭花はゆっくりとクレバスに沿って指を動かした。
「あ、ら、蘭花さぁん……」
「大丈夫よ。優し〜くしてあげるから」
 愛おしげな眼差しで笑みを浮かべ、蘭花は中指をクレバスの中央に押し当てると、ゆっくりと挿入し始めた。
「初めてだとちょっと痛いかもしれないけど、心配しなくていいわよ……」
 蘭花は少しづつ指をミルフィーユの膣内に挿入してゆく。しかし、ここで蘭花は予想外の事態に直面した。指が何の抵抗も無く飲み込まれてゆくのだ。
「え? ウソ……」
 あっという間に指は根元まで入ってしまった。
「え? え? 何で……」
 蘭花は一度指を抜き、今度は人差し指と中指を並べ、再びミルフィーユの膣内に挿入した。今度も苦も無く飲み込まれてゆく。
「な、な、何で……まさか!?」
 蘭花は驚愕の表情を浮かべ、ミルフィーユの顔を見る。
 当のミルフィーユは快感に頬を上気させて、指を噛んで声を押し殺していた。
「ミルフィーユ……アンタ、まさか…………経験済み?」
 蘭花は恐る恐る訊ねる。
「ほえ? ハイ、経験ありますよ」
 ミルフィーユは事も無げにサラリと言い放った。蘭花は驚愕と絶望に思わず脱力した。
「あん、蘭花さぁん、途中でやめちゃヤですぅ〜」
 ミルフィーユはトロンとした目付きで蘭花におねだりをする。しかし、蘭花は呆然とミルフィーユを見つめ返し、何やらブツブツと呟くだけだった。
「蘭花、さん……?」
 さすがに蘭花の様子がおかしいのに気付いたミルフィーユは、体を起こし、おっかなびっくり蘭花の口元に耳を近付けた。
「経験済みだなんて……経験済みだなんて……許せない、許せない、許せない……」
 蘭花は呪文を唱えるようにそう繰り返していた。
「えと、蘭花さん……」
 ミルフィーユはそっと蘭花の肩に手を置いた。瞬間、弾かれたように蘭花はミルフィーユを睨みつけた。
「許せない!」
 蘭花はミルフィーユを突き飛ばし、ベッドの上で押さえつけた。
「や! 痛いですぅ!」
「うるさい! この淫乱女!!」
 蘭花はそう叫び、ミルフィーユの頬を張った。
突然の張り手にミルフィーユは一瞬恐怖の表情を浮かべたが、それはすぐに驚愕に変わった。
相変わらず蘭花はミルフィーユを押さえつけたまま睨みつけているが、その眼には大粒の涙が浮かんでいた。
「アンタの処女は、アタシがもらうつもりだったのに……こんなのあんまりよぉ。ミルフィーユの事好きだから、アンタの初めての人になりたかったのに……」
 ミルフィーユの腕を掴んでいる蘭花の手がガクガクと震えていた。
「蘭花さん……」
 ミルフィーユはそんな蘭花を見つめる事しか出来なかった。
「アタシのバージンもミルフィーユにあげても良いって思ってた。
なのに……アンタはどこの馬の骨とも知れない男と、とっくの昔に経験済みだなんて……」
 蘭花は再び強い調子でミルフィーユを睨みつけ、髪飾りのロープで素早くその両手を縛りつけた。
「や、やだ! 蘭花さんほどいてくださ〜い!」
「ダメよ! こうなったら、アンタなんかメチャクチャに犯してやる!」
 蘭花はミルフィーユの両足を抱え上げ、無理やりまんぐり返しのポーズを取らせた。
「あぁん、こんなカッコ恥ずかしいですぅ〜!」
 ミルフィーユはバタバタともがいて元の姿勢に戻ろうとするが、ガッチリと押さえつけられ、それもままならなかった。
「暴れるな! ……ったく、アンタみたいな尻軽女、どうせコッチの穴でもハメまくってるんでしょうね!」
 蘭花はペロリと中指を舐めると、ミルフィーユの呼吸に合わせてヒクヒクとうごめく菊門に根元まで一気に挿入した。
「痛いっ!」
 ミルフィーユは突然の裂けるような痛みに、思わず悲鳴を上げた。
「あら?」
 蘭花は一度指を引き抜き、再び挿入し、かき回すように指を動かす。
「痛いっ! 痛ぁい! やだ、そこは……やですぅ! 痛っ、指、抜いてくださ〜い!」
「ミルフィーユ……コッチは処女なの?」
「当たり前じゃないですかぁ!」
 その言葉を聞いた瞬間、蘭花の表情から険が取れ、代わりに何とも形容し難い笑みが浮かんだ。
「そ〜なんだぁ〜。コッチは処女なんだぁ〜」
 蘭花は指を引き抜くと、ミルフィーユの背中の方に回り、その菊門にそっと口付けした。
「ら、蘭花さん!?」
「だったら、コッチの処女はアタシがもらっちゃお〜っと!」
 蘭花は淫蕩な笑みを浮かべながら舌を伸ばし、ミルフィーユのアヌスを舐め始めた。
「ひゃあっ!? いやぁ! そ、そんな汚い所舐めちゃダメですぅ!!」
「汚くなんかないわよ。ミルフィーユのオシリの穴、と〜ってもオイシイわぁ」
 蘭花は舌先でくすぐるように、菊門の皺を1本1本伸ばすように、ミルフィーユのアヌスを弄んだ。
 チラリとミルフィーユの表情を窺うと、うっすらと涙を浮かべ、真っ赤になって耐えている。
 そんな様子がますます蘭花の心を燃え上がらせ、夢中になってアヌスを貪り続けた。
 そして舌に加えて、右手でアヌスを、左手でヴァギナを同時に責め始めた。
「やぁ……あはぁ、ダメ、ですぅ……オシリは……ヤですぅ……あはぁん!」
 最初はただただ苦痛に耐えるようなミルフィーユの表情に、少しづつ悦楽の相が浮かびだした。
 次第に肌が上気し、呼吸が荒くなってくる。
「あらぁ? ミルフィーユ、もしかしてオシリがキモチ良くなってきたんじゃないのぉ?」
「そ、そんな事……ないですぅ……あぁん!」
 ミルフィーユは言いながら背筋を反らせた。
「ふぅん。その割には、イイ反応じゃない。ホラ、指が2本になってるの気付いてる?」
 蘭花は菊門に挿入している人差し指と中指をグリグリと動かした。
「あぁ! やぁん、あはぁ……あぁぁん!!」
 ミルフィーユはアヌスを裂く痛みに変わり、全身を巡るゾクゾクとした快感に声を上げた。
「そろそろイイわね〜。それじゃあ、いっただっきまぁ〜す」
 蘭花はミルフィーユを四つんばいの姿勢にさせ、もう一つの髪飾りを外した。
 筒状の部分を伸ばして『錘』にすると、持ち手の方を丹念に舐め回した。
 タップリと唾液にまみれさせると、蘭花はそれをミルフィーユの菊門に押し当てた。
「ホラ、力抜きなさい。あんまり力むと裂けるわよ」
 蘭花はゆっくりと錘をミルフィーユのアヌスに挿入し始めた。
「や! 痛い! ダメ! やめ、やめてください!」
 ミルフィーユは明らかに指2本よりも太い棒の侵入に、再び悲鳴を上げた。
「そんな事言っても、ドンドン入っていくわよ? ほぉら、もう半分入っちゃった」
 蘭花は半分方飲み込まれた錘を満足気に眺め、残りの部分を股に挟み込んだ。
「うふふ、ここからが本番よ」
 蘭花は不敵な笑みを浮かべ、ゆっくりと腰を動かし始めた。
「ひっ!?」
 蘭花の腰の動きに合わせ、静かに出入りする錘の感触に、ミルフィーユはパニックに陥った。
「どんどん激しくするからね!」
 蘭花はそう宣言し、徐々に腰の動きを早くしだした。
「あ、や、やぁ! 痛っ! う、動かない、で……痛っ、痛いっ! あぁん!!」
 ミルフィーユは段々と速度を増すピストンに悲鳴を上げ続けた。しかし、その声に興奮した蘭花は、スピードを緩めるどころか、益々腰を振る速度を上げる。
「やぁ、あぁん、あふぅ……あ、あ、あぁ……」
「んふふ〜甘ぁ〜い声が出始めたわよぉ。キモチ良くなってきたのね?」
「そ、そんな事……んむぅ……」
 ミルフィーユはベッドのシーツを噛み、喘ぎ声が出そうになるのを懸命に堪えた。確かに痛みが和らぎ、再び快感の波が体を包みだしていた。
「正直に言わないと……こうよ!」
 蘭花は一層腰を激しく動かし、前後のピストンにくねりを交え、ミルフィーユの菊門をゴリゴリとかき回した。
「ひっ!やぁ、あふぅ、あぁん、あ、く……イ…い……」
 ミルフィーユの口から喘ぎが漏れ始める。蘭花はその瞬間を待っていたように腰を止め、股に挟んだまま錘を引き抜いた。
「ひゃ!? え、な、なんで……?」
 ミルフィーユは赤く頬を染めた顔で蘭花を見上げた。
「ん? 何でやめるかって? だって、キモチ良くないんでしょう? だったら、もうイイかなぁ〜って」
「そ、そんな!」
 ミルフィーユは縋るような眼差しで蘭花を見つめる。
「あらぁ〜もしかして、もっとオシリの穴に突っ込んでほしいのぉ〜?」
 蘭花は意地悪く言い放った。
「そ、それは……」
 ミルフィーユは羞恥の表情を浮かべて口篭る。
「ホラ、やっぱりオシリはイヤなんでしょう? だから、もう終わり!」
 蘭花はそう言って足を開き錘を挟むのを止め、ミルフィーユの腕を縛っていたロープを解いた。
「おフロ入り直そぉ〜っと」
 わざとらしく大声で言い、蘭花はミルフィーユに背を向けた。
「ま、待ってください!」
 ミルフィーユが慌ててその背に声をかけた。
「何〜、どうしたのよ?」
 気の無い風を装い、蘭花はもったいつけて振り返る。
「……して、ください」
 真っ赤になって俯くミルフィーユの口から、弱々しい呟きが漏れた。
「え、何?聞こえな〜い」
 蘭花は勝ち誇ったような笑みで耳に手を当てる。
「もっと……してください……」
「え〜、何を〜? もっと大きな声で言ってみなさいよ」
 なおもとぼける蘭花に、ミルフィーユは切なげな視線を送り、小さく囁いた。
「もっと、その……オシリを……」
「だ・か・ら! どうして欲しいか、もっと大きな声でおねだりしなさいって言ってるの!」
 蘭花の言葉に、ミルフィーユは全身を震わせてベッドにうつ伏せ、腰だけを上げて尻を突き出すポーズを取った。
 そして、両手で尻朶を掴み、力いっぱい左右に押し開いた。
「わ、わた…しのオシリ……蘭花さんの、その太いので……もっと、かき回して……キモチ良く、して……ください!!」
「はぁい、良く言えましたぁ〜」
 蘭花は足元に転がる錘を拾い上げ、ミルフィーユのアヌスにもう一度押し当てた。
「それじゃあ、望み通りにもっとしてアゲル。ミルフィーユのオシリの穴、ガバガバになるまでしちゃうんだから!」
 蘭花は一気に錘をアヌスにねじ込んだ。
「ひゃあっ!」
 ミルフィーユはビクリと体を震わせ、悲鳴に似た声を上げた。しかし、その声は先刻までの苦痛に満ちた物ではなく、明らかに快感を伴った声であった。
「一度ほぐれただけあって、今度はアッサリ飲み込んだじゃない。それじゃあ、イっクわよ〜」
 蘭花は錘を股に挟み、ゆっくりと腰をスライドさせ始めた。
「あ……あぁん……あン、んん……」
 ミルフィーユはその動きに合わせて小さな喘ぎをあげる。
「キモチ良い、ミルフィーユ?」
「イイ、ですぅ……あふぅん!」
「もっと激しいのがイイ?」
「もっと……激しく……」
「こんなのかしら?」
 蘭花はミルフィーユの腰をガッチリ掴むと、ピストン速度を一気にアップした。
「あ! あぁ! あ、やぁ、あぁん!」
 菊門を突く動きが激しさを増し、ミルフィーユの喘ぎ声も自然と大きくなってゆく。
「あ、あぁん、オ、オシリ……スゴイ……」
 ミルフィーユは全身を巡る快感の波に、自然と腰をクネらせ始めた。
「あぁん、蘭花さぁん、もっとぉ……」
 切なげな声を出しながら、白いヒップをクネクネと動かすミルフィーユに、蘭花は更なる欲情を覚えた。
「オシリでこんなに感じちゃうなんて、ホントいやらしいんだから!」
 蘭花もまた、ピストンしながらも、8の字を描くように腰をクネらせる。
「あぁ! 蘭花さん、それイイですぅ! オシリが……開いちゃうぅ〜」
 ミルフィーユは押し寄せるアクメの波に抗う事なく、感じるがままに身を任せた。
「ああ、イク! イキます! わたし、わたし……オシリで……」
「あ、アタシも……錘がアソコに食い込んで……クリが擦れて……」
 ミルフィーユと蘭花は、お互いに頬を上気させ、体中を駆ける快楽にハァハァと呼吸を荒くする。
「イクぅぅぅぅぅぅっ!!」
「イッちゃうぅぅぅっ!!」
 二人は全身を震わせ、同時にアクメに達した。頭の中が真っ白になり、一瞬、息が止まったかと思うと、すさまじい快感の奔流に悦びの声を上げた。
「あ……あぁ……」
「あはぁ……はぁ……」
 錘がミルフィーユから抜け、蘭花の股間から転がり落ちる。そのまま二人はもつれるようにベッドに倒れ込んだ。しばらくは肩で息をして、
グッタリと横たわっていたが、やがてミルフィーユが体を起こし、荒い呼吸を整えている蘭花に口付けし、舌を絡めあった。
「蘭花さぁん、もっとぉ……」
「ウフフ、ホントにスケベなんだから……。ま、アタシもこの程度で終わらせるつもりはないけどね〜。身の心もアタシの奴隷になるまで、犯してア・ゲ・ル」
 蘭花はもう一度ミルフィーユを四つんばいの姿勢にさせると、錘を拾い上げ、再びアヌスに押し当てた。ただし、今度は持ち手の方ではなく、先の太い方を挿入しようとする。
「今度はコッチの方よ。ちょっとキツイけど、ガマンしなさいよ」
「え? ちょ、ちょっと、蘭花さん!? そ、そんな太いのは無理ですぅ〜!」
「だ〜いじょうぶ、ミルフィーユのエッチなオシリの穴なら、これぐらいカンタンに飲み込むって」
「あ、ダメ! 裂けちゃう! あ、あ、あはぁぁぁん……」
「ホ〜ラ、入ったじゃない……。このまま、明日の朝まで続けるからね……」
 蘭花は錘を股に挟み、腰を振り始めた…………。

 翌日。
「ん、んん……」
 蘭花は窓から差し込む朝の光で目を覚ました。
「アレ?アタシ何でハダカなの……? 確かお風呂入ってて……って、ええ!?」
 蘭花はすぐ隣に同じく全裸で眠っているミルフィーユの姿に、驚愕の声を上げた。
「え? あ、アタシゆうべ何したの? あ……ああっ!!」
 途端に昨夜の記憶が蘇る。蘭花は真っ赤になって、ミルフィーユの寝顔を見つめた。
(あ、アタシ、ゆうべミルフィーユと……)
 蘭花の動揺する気配を感じたのか、ミルフィーユが目を覚ます。
「あ、蘭花さん、おはようございますぅ」
 少し寝ぼけまなこで挨拶するミルフィーユ。
「お、おはよう。さ、さ〜て、シャワーでも浴びよう〜っと」
 急いでベッドから離れようとする蘭花の手をミルフィーユが掴む。そして、そのまま背後から抱きついた。
「おフロ入るのなら、一緒に入りましょうよ〜。また昨日みたいにカワイがってくださぁい」
 ミルフィーユは蘭花の耳朶を甘噛みし、耳腔を舌でくすぐりながら、甘ったるい声で囁いた。
「ひゃあっ!? み、ミルフィーユ、ちょっと待って! ゆうべの事は、何かの間違いなのよ!
そ、そう! あのロストテクノロジーのせいで……」
「そんなの関係ないですぅ。わたし、昨日、蘭花さんの恋人になるって誓ったじゃないですかぁ。
わたしの体、隅から隅まで貪っておいて、間違いなんてダメです! わたし、もう蘭花さん無しでは生きられません!」
 強い調子で言い放ち、ミルフィーユは蘭花の体を強引にベッドに引き寄せた。
「そうだ! 今日はわたしが蘭花さんにいっぱいキモチイイ事してあげますね! ゆうべ蘭花さんがしてくれたみたいに、
胸もアソコもオシリも、い〜〜〜っぱいキモチよくなってくださいね!」
「ま、待ってミルフィーユ! あ、やめ…あ、あ、あぁぁぁぁん!」
 
 その日は一日中、蘭花の甘い喘ぎ声が部屋を満たし続けたのであった……。

 それから一週間が過ぎ、蘭花とミルフィーユは何事も無いかのように戻って来た。その後の調査により、
例のロストテクノロジーは発動に時間がかかる上、人によっては効果を発揮しない事が確認された。
 また、発動しても12時間ほどで効果が消失する事も判明した。
 フォルテやミントの追求に、蘭花とミルフィーユは口を揃えて「何も無かった」と言い続けた。本人達がそう言っている以上、
エンジェル隊の面々も、それ以上ツッコむ事はしなかった。
 かくして、問題のロストテクノロジーは、実用性・危険レベルの低さから、エンジェル基地の倉庫に入れられ管理される事になったのであった。

 それから数日が経った。
「しっかし、あのロストテクノロジーは一体何だったんだ……」
 エンジェル基地の廊下をミントと並んで歩いていたフォルテは、不意にそうつぶやいた。
「は? 何の事ですの……?」
「いや、な。昨日、例のロストテクノロジーがコッチに戻って来ただろ?」
「ああ、アレですか。アレは……とどのつまりは『惚れ薬』ですわ」
「惚れ薬〜?」
 ミントの言に、フォルテは頓狂な声を上げた。
「ええ、少し気になったので、調査データは引き続き送ってもらっていたのですが、
調べてみた結果、アレは同性に作用する惚れ薬の一種だと判ったんですの」
「同性に作用? どういう事だ?」
 フォルテの疑問に、ミントは少し思案顔になった。
「つまり……。例えばですが、フォルテさんは恋人として付き合うとしたら、ウォルコット中佐とメアリー中佐、どちらが良ろしいですか?」
「あん? そんなのどっちもゴメンに決まってるだろ」
 いきなりのミントの言葉にフォルテは怪訝な表情を浮かべた。
「例えば、の話ですわ」
「ん〜、それなら、ウォルコット中佐かねぇ……。アタシはそっちの趣味は無いからね」
「普通そうですわね。女性なら男性を、男性なら女性を恋人にしたいと考える物ですわ」
「当たり前だろ。そういう趣味のやつもいるんだろうけど……。ん? 待てよ……。なるほど、そういう事か……」
 フォルテは得心がいったという表情で、一人頷いた。
「そういう事ですわ。アレは同性愛者がノーマルな性嗜好を持った人を、その……
手篭めにするための薬だったようですの」
「男なら男に、女なら女に、欲情するよう精神を変調させれば、どんなにカタいヤツでも、落とすのはカンタンってワケか」
「あとは、既成事実を作ってしまうなり、快楽に溺れさせるなりすれば、容易く自分の物に出来る、というワケですわね」
「ゾッとする話だねぇ……」
 フォルテは両肩を抱えるようにして、体を震わせた。
「個人的には、処分してしまうべきだとは思いますが……アレもロストテクノロジーには変わりないわけですし、そうもいかないのでしょうねぇ」
 ミントは小さくため息をつく。
「まあ、ココで保存してる限りは大丈夫だろう。何ってたって、アタシらがいるんだ。エンジェル隊を敵にしてまで、惚れ薬なんぞを盗みに来るヤツもいねぇさ」
「そう……ですわね」
「ん? 何だか歯切れが悪いねぇ」
「いえ、別に……。あ、それではワタクシはコチラに用がありますので」
 ミントはいつもと変わらぬ柔らかい笑顔でフォルテと別れた。
(アナタ方がいらっしゃるから、不安なのですが……)
 心の中でもう一度ため息を付き、ミントは資料室の扉をくぐった。

 1時間後。
「ミントさ〜ん!」
「ミルフィーユさん、どうかなさいまして?」
 仕事の資料を提出し、自室に戻る途中であったミントは、ミルフィーユに声をかけられた。
「今、蘭花さんとわたしの部屋でお茶してたんですけど、ミントさんも一緒にお茶飲みませんか?」
「お茶ですか? ……そうですわね、お仕事も一段落した事ですし、お呼ばれいたしますわ」
 ミントはニッコリ微笑んで、ミルフィーユと連れ立って足を進めた。
「ミントさん、これ食べてみてください」
 歩きながらミルフィーユはミントに紙包みを手渡した。中にはハート型のクッキーが入っていた。
 焼きたてなのか、食欲を誘う香ばしい香りが漂ってくる。
「あら、おいしそう。それではいただきますわ」
 ミントは包みから一つクッキーを取り出し、口に運んだ。
「ん〜、おいしいですわ。変わったお味ですけど、何か入ってますの?」
「ハイ、隠し味に『コショウ』を使ってみたんです」
「コショウ、ですの……」
 その単語に何か引っ掛かりを感じたミントは、思わずミルフィーユの顔を見上げた。
 ミルフィーユは、いつものお気楽な笑顔を浮かべているだけであった。
「そういえば、この間のロストテクノロジーの資料、わたしも見たんです。アレって、人為的に興奮状態にすれば、
効果発動の時間を短縮出来るらしいですね」
「そんなデータが出てましたわね。それが……どうかしましたの?」
「いえ、別に。ハイ、着きました〜」
 話している間にミルフィーユの部屋の前まで到着したが、ミントは何となく身の危険を感じていた。
「あ、あの。ワタクシ用事を思い出しましたわ!お茶はまたの機会に……」
「どうぞ、入ってくださぁ〜い」
 辞去の言葉が耳に入ってないように、ミルフィーユは強引にミントを部屋の中に押し込んだ。
「ちょ、ちょっと、ミルフィーユさん!? ……え!?」
 部屋の中に入ったミントは、そこに思いがけない物を見た。
「ら、蘭花、さん……?」
 ミントの眼前に、蘭花の姿があった。しかし、その姿は普通ではない。
 縛られた腕を天井から吊られ、足は大股開きの姿勢で棒に固定され、その状態で椅子に座らされていた。
 はだけられた乳首とクリトリスに蠕動するローターが貼り付けられ、アヌスには太いバイブが挿入されている。
 目隠しとボールギャグを付けられ、体をビクビクと震わせている蘭花に、ミントは言葉を失った。
「今日はわたしが責める番なんです……」
 ミルフィーユがつぶやきながらドアをロックした。
「昨日は蘭花さん、もっとスゴイ事をわたしにしてくれたんです。ミントさんも仲間に入りませんか?」
 完全にイッてしまった、ドロリと濁った目でミルフィーユはミントを見つめた。
「ちょ、ちょっと待ってくださいまし! わ、わたくし、そっちの趣味は……」
 あとずさるミントに、ミルフィーユはジワジワと近付く。
「大丈夫ですよ、さっき食べたクッキー、コレがた〜くさん入ってますから……」
 ミルフィーユの手に、胡椒のような物が入った小瓶が握られていた。
「そ、それは……」
「ハイ、倉庫から借りてきちゃいましたぁ。コレってスゴイんです。瓶に増殖装置が付いていて、少しでも中身が残っていたら、
元の量に戻るんですよ? わたしと蘭花さんで試したんです」
 ミルフィーユは蘭花の目隠しを外し、ボールギャグから滴る唾液を舐め取った。
「それじゃあ、蘭花さんはそこでわたしがミントさんと愛し合う所を見ていてくださいね。今日の責めは、放置プレイで〜す」
 そう言ってミルフィーユは目の前の事態に対応出来ず、棒立ちになっているミントをベッドに押し倒した。
「あ、嫌! は、放してください!」
 我に返ったミントは体を捩って抵抗した。しかし、ガッチリとミルフィーユに押さえつけられ、逃れる事は出来ない。
「ミントさんも、きっとこのロストテクノロジーが気に入りますよ……」
 ミルフィーユはロストテクノロジーの粉末を舌に乗せ、口移しで強引にそれをミントに飲ませた。
「あ、あぁ……」
 口内で蠢くミルフィーユの舌に、ミントは徐々に体の力を抜いていった。
「アハ、おとなしくなりましたね? ミントさん、いっぱいキモチイイ事してあげますね。あ、蘭花さん、そんな目で見てもダメです。
今日は見てるだけですよ。でも、今日ジラした分、明日はいっぱいイジめてくださいネ……」
 とびっきりの淫靡な笑みを蘭花に向けると、ミルフィーユはベッドの上でグッタリしているミントに覆いかぶさった。
「あ、いや……ミルフィーユさん…やめてくださ……んむぅ!?」
 懇願するミントの唇を、ミルフィーユのそれが塞ぐ。
「ん! んんっ!? んむ、んんーっ!!」
 ミントは必死に悲鳴を上げるが、唇を強く吸われて、かすかな呻きが漏れるばかりであった。
 口内で蠢くミルフィーユの舌がミントの舌を絡め取り、その呻きすらも次第に消えていく。
 たっぷりと唾液をミントの口内に流し込んでから、ミルフィーユはようやく唇を放した。
「どうですか〜ミントさん。そろそろ効いてきました?」
 ミルフィーユがいつもと変わらぬ笑顔で問いかける。
 だが、ミントは思考に霞がかかったようになり、言葉を発する事が出来なかった。
(何か……おかしいですわ……身体が……熱い…………)
 ミントは段々と上がっていく体温に、ハァハァと荒い息をついた。
 全身に力が入らず、ただ潤んだ瞳でミルフィーユを見上げる。
「ミントさん……そんな目で見ちゃダメですぅ。そんな顔されたら、わたし……すっごく興奮して、ミントさんの事、
メチャクチャにしちゃいそう……。ああ、もうガマン出来ません!」
 ミルフィーユは再び唇を塞ぎ、その手をミントの乳房に這わせた。
 ほとんど膨らみの無い、かすかな双丘を揉みしだき、その舌が唇から耳の方へ移動する。
「あ! い、いや! やめてくださいまし……あっ!」
 耳腔をくすぐるミルフィーユの舌に、ミントはビクビクと体を震わせた。
「キモチイイですか、ミントさん?」
 ミルフィーユは耳から首筋に舌を這わせ、チロチロと舐め回し始める。
「あ、ああっ! あ、いやっ、あはぁ、あん、あぁん……」
 ミントの口から、小さい喘ぎが漏れ出した。ゾクゾクとする快感に合わせるように、
彼女のトレードマークとも言えるウサギ耳がピコピコと上下する。
「あは! ミントさんの耳って、キモチ良くても動くんですね。じゃあ、こういうのはどうですか?」
 ミルフィーユは少々乱暴にミントの制服の胸元をはだけさせ、露になった乳房に視線を送る。
「ミントさん、ピンク色したカワイイ乳首が固くなってますよ? えへへ〜」
 ミルフィーユは固く尖った桃色の突起をつまみ、コリコリと転がし始めた。
「ひゃあ! あん、ダメ! や、やめて! あぁん!!」
 ミントはウサギ耳を激しく動かしながら、くねるように身悶えた。
「ミントさん、結構感度良いですね〜。それとも、ロストテクノロジーが効いてきたのかな?」
ミルフィーユはミントの胸をまさぐっていた手を、今度は下半身に伸ばす。
「すご〜いミントさん、もうビショビショですよ?」
「さ、触らないでくださいまし。いやぁん!」
 ミルフィーユの指が、下着の布地越しに、ミントの秘部に触れる。
 ミントは顔を真っ赤にし、火照る身体からほとばしる快楽に耐えた。
「どんどん溢れてきますよ〜ミントさん。ホラ、こんなに」
 ミルフィーユはミントの愛液でぬめり、ネットリと糸を引く右手をミントの眼前に突きつけた。
「!!!!」
 ミントは硬く目をつぶり、それを見ないように顔をそむけた。
「それじゃあ、舐めちゃおっかなぁ〜」
 そのミントの様子を意にも介さず、ミルフィーユはミントの下着に手をかけた。
 瞬間、ミントは驚愕で目を見開き、何とか腕を動かしてミルフィーユの手を掴む。
「い、いやです! ミルフィーユさん、やめてください!」
「もう〜、ジャマしちゃダメですよ〜。仕方ありませんねぇ」
 ミルフィーユは一旦ミントの下着から手を放し、軍服のポケットをゴソゴソとまさぐった。
「ジャジャ〜ン、手錠でぇ〜す」
 ミルフィーユは取り出した手錠を、ミントの両手首に嵌め、真ん中の鎖部分にもう一つ手錠を嵌めた。そしてミントの腕を強引に上げさせ、
残りの輪をベッドの桟に嵌めた。
「これでミントさんは腕を下ろす事が出来ませぇ〜ん」
 ミルフィーユは心底うれしそうに言うと、再びミントの下着に手をかけた。
「あ、やめて! いや……」
 ミントは何とか抵抗しようと足をバタつかせるが、ミルフィーユは苦も無くミントの穿いていたショーツを取り払った。
「いやぁっ!」
 ミントは下半身を剥き出しにされた事への羞恥に、うっすらと涙を浮かべた。しかし、ミルフィーユの行動はどんどんエスカレートしてゆく。
「それじゃあ、ご開帳でぇ〜す」
 ミルフィーユはミントの両膝を掴み、強引に股を開かせた。
「うわぁ、ミントさん、まだ毛が生えてないんですね。ツルツルでカワイ〜〜〜」
「いやぁ! 見ないでぇ!」
 ミントは頭を激しく振り、身をよじらせ、何とか現状から逃れようとする。
「じゃじゃ〜ん、ここでまた手錠の登場でぇ〜す」
 まったくミントの様子を気にしてないミルフィーユは、さらに2つの手錠を取り出した。
「これをぉ、今度は足に嵌めちゃいま〜す」
 ミルフィーユは手早くミントの両足首に一つずつ手錠を嵌めると、もう一方の輪にロープを通し、
大股開きの格好でベッドの足に固定した。
「これでミントさんは動けませぇん。それじゃあ、舐めまぁす」
 ミルフィーユはミントの股間に顔を埋め、目の前にあるクレバスに舌を伸ばした。
「だ、ダメ! 舐めないでくださいまし! あ、や、やぁっ!」
 ミントの静止の声が耳に入ってないように、ミルフィーユはゆっくりと舌を動かし始めた。
「いやぁ、いやぁん、ああっ!」
 ミントは拘束された体をビクビクと震わせ続けた。秘部からどんどんと愛液が滲み出してくるのが判る。
「あ、や……あぁん……」
 ミントは頬を上気させ、ハァハァと荒い呼吸をつく。
(き……気持ちイイ……おかしくなってしまいますわ……)
 ミントは湧き上がる快感に身を委ね始めた。
「あ、ミントさんのお豆、固くなってますよ〜。えい!」
 ミルフィーユは眼前で固く突起したクリトリス軽く噛んだ。
「ひぃぃぃっ!?」
 快感を伴う痛みに、ミントは悦楽混じりの悲鳴を上げた。
「それそれ〜」
 ミルフィーユは舌でクリトリスを転がす。
「あ、あぁ、あぁん、あはぁ……」
 女性器の中でも、特に敏感な箇所を責められ、ミントの腰が自然と動きだした。
「あ、ミ、ミルフィーユさん……イイっ……もっと……」
 ミントの口から、とうとう更なる責めを懇願する言葉が漏れた。
その瞬間、ミルフィーユはミントの傍から離れ、少し離れた場所で拘束されている蘭花の元へ移動した。
「え、何で……?」
 ミントは唯一自由な首を動かし、ミルフィーユを見た。
「えへへ〜ミントさんも気持ちよくなってきたみたいですけどぉ……大きな声で『もっと気持ちよくしてください』って言ってくれないと、続きをしてあげませ〜ん」
 ミルフィーユはにこやかに言い放ち、蘭花の乳房を揉みしだきながら、ミントの方を見た。
「そ、そんな! そんな事……言えません!」
「じゃあ、別にいいです。わたし、蘭花さんと遊びますから」
 ミルフィーユは背を向け、今度はミントに見せ付けるように蘭花のアヌスにねじ込まれたバイブに手をかけた。
「ねぇ、蘭花さぁん。オシリ気持ちイイですか〜」
 ミルフィーユは言いながら片手でバイブをピストンさせ、もう片方の手でボールギャグを外した。
「あぁ、ミルフィーユ、イジワルしないで……アタシ……変になっちゃう!」
 ようやく口を解放された蘭花は、切なげに訴えた。
「ダメですぅ。今日は蘭花さんにはいっぱいイジワルするって決めてたんです。だって、そうしたら……蘭花さん、明日は今日のわたし以上のスゴイ事してイジめてくれるから……」
 ミルフィーユは完全に色欲に狂った目で蘭花を見つめた。
「まずはローターを外して……オシリのバイブ、いっぱい動かしますね。それで、イク寸前で止めます」
 ミルフィーユはそう宣言し、いきなりバイブを出し入れするスピードを上げた。
「あ、だ、ダメ! そんな急に! あ、あぁん!! あ、あ、イイっ! ひぃっ、もっと、もっとぉ〜!」
 蘭花は体をガクガクと震わせ、悦びの声を漏らした。
「あひっ! もっと、もっと、ケツ! ケツイイッ! もっとズボズボしてぇ〜」
 蘭花は淫らを通り越して、下品なまでの喘ぎを上げ続ける。
「あ、イク! イク! イクっ!」
 蘭花がアクメを迎えようとした瞬間、ミルフィーユはアヌスを責めているバイブを引き抜いた。
「あ、ダメ! 止めないで! もうちょっとでイケたのに! お願い、イカせて! アタシ、おかしくなっちゃう!」
「ダメで〜す。おかしくなってくださ〜い」
「そんな! お願い、生殺しはカンベンして! ミルフィーユ! ミルフィーユ様! お願いします! 
お慈悲をください! イカせてください!! ミルフィ……むぐぅ!?」
 哀願する言葉を無視するように、ミルフィーユは再びボールギャグを蘭花に口に嵌めた。
「んん! んーっ!! んん、んーっ!!!!」
 涙を浮かべ訴える蘭花に満足気な笑みを浮かべ、ミルフィーユはミントの方を見た。
「どうですか、ミントさん。気持ち良くなりたいですか?」
「わ、わたくし……」
 口篭るミントの傍に、ミルフィーユが近付く。
「ねぇ、ミントさん。わたしの事……キライですか?」
「え……?」
「わたし、ミントさんの事好きです。大好きです。蘭花さんも、フォルテさんも、ヴァニラさんも、みんな大好きです。
だから、もっと愛しあいたいんです。……ダメ、ですか……?」
 ミルフィーユは少し潤んだ瞳でミントを見つめた。その様子に、ミントは胸が熱く高鳴るのを感じていた。
(ああ、なんて愛らしいんでしょう、ミルフィーユさん……。わたくし……わたくし……)
 ミントはウットリとした目でミルフィーユを見つめた。
「ミルフィーユさん……。わたくしも…ミルフィーユさんの事、好きですわ。他の皆さんも……大好きです。ですから……もっと愛してくださいまし……」
 ミントは全身の緊張を解き、ミルフィーユに訴えた。
「もっと……気持ち良くしてくださいまし……」
「ミントさん……うれしいです!」
 ミルフィーユはミントの体に飛びつき、その唇を塞いだ。
「んん……ん…………」
 ミントの口内に舌を滑り込ませ、激しくかき回す。ミントもまた、それに応えるように舌を絡ませ、ミルフィーユの唇を貪った。
「んん……ねぇ、ミルフィーユさん。わたくしと蘭花さんの縛めを解いてくださいまし。それで、二人でわたくしを愛してください……」
「ミントさん……判りました」
 ミルフィーユはミントの腕と足に嵌めた手錠を外し、それに続いて蘭花の縛めを解いた。
「良かったですね、蘭花さん。ミントさんが仲間に入れてくれて……」
 ミルフィーユはボールギャグを外しながら、蘭花のアヌスをバイブで抉った。
「ひぃぃぃぃぃぃっ!!」
 アクメ寸前で止められていた蘭花の体は、バイブの挿入だけで絶頂に達した。
「アハ、蘭花さん、イれただけでイッちゃいましたね。さあ、3人で愛し合いましょう」
 イルフィーユはグッタリと床に跪いた蘭花を起こすと、ミントの横に寝かせつけた。
「蘭花さん……」
「ミントぉ……」
 蘭花とミントは自然と体を絡ませ、唇を重ねた。
「あん、わたしも仲間に入れてください〜」
 軍服を脱いで、ミルフィーユはミントの顔を強引に自分の方に向け、その唇を奪った。
「んん、んむ……」
 舌を絡ませるディープキスをしているミルフィーユの頭を、今度は蘭花が強引に自分の方に向け、
したたる唾液をミルフィーユの口内に流し込んだ。
 そこにミントが近付き、唇の端から漏れる蘭花の唾液を舐め取る。
 いつしか3人は互いに舌を伸ばし、ペチャペチャと音を立てて絡めあった。

それから、さらに数日後。
「フォ・ル・テ・さぁ〜ん!」
「おや、どうしたんだい蘭花? ずいぶんとゴキゲンじゃないか」
 今日の仕事も終わり、自室に戻ろうとしていたフォルテを、蘭花は呼び止めた。
「えへへ〜。実家からイイお酒が送られて来たんですよ! フォルテさん、一つどうですか?」
「へぇ〜、蘭花の故郷の酒かぁ。美味そうだねぇ」
 酒好きのフォルテは内心舌なめずりした。蘭花も別の思惑で舌なめずりしている事には気付いていない。
「美味しいですよ〜。たくさんありますから、今から呑みましょうよ!」
 蘭花はフォルテの腕を取り、強引に自室に引っ張り込もうとする。
「お、おい! そんなに引っ張るなって。判った、判った。ご相伴に預からせてもらうよ」
 ファルテは苦笑を浮かべつつ、蘭花の部屋に入って行った。
 その様子を、こっそりと隠れて窺っている陰が二つ。ミルフィーユとミントである。
「第一段階は成功ですわね。蘭花さんの要望ですし、フォルテさんはお任せしましょう。ミルフィーユさん、わたくし達はヴァニラさんを誘いますわよ」
「了解で〜す。でも、ノーマッドさんはどうするんですか?」
「心配はご無用ですわ。ノーマッドさんも仲間に入れてしまえば良いんですの」
「どうやって、仲間に入れるんです? ノーマッドさんには、アレは効かないと思いますけど……」
「フフ、わたくしに妙案がございますの。それではミルフィーユさん、ヴァニラさんをわたくしの部屋まで連れて来てくださいまし。
もちろん、ノーマッドさんもご一緒に。ウフフ……」
 ミントは妖しい笑みを浮かべ、ヴァニラの部屋に向かうミルフィーユを見送った。

「かぁ〜〜〜美味い! 本当にイイ酒じゃないか!」
 フォルテは蘭花の部屋で、振舞われた酒を一気に飲み干すと、ご機嫌な様子でそう言った。
「まだまだありますから、ジャンジャン飲んでくだいねぇ〜」
 蘭花はフォルテのグラスに酒を注ぎ、自身も手酌で酒をあおる。
「おっと、悪いねぇ蘭花。ホラ、貸しな。アタシが注いでやるからさ」
 フォルテは酒瓶を受け取ろうと手を差し出す。
「あ、それじゃあお願いしま〜す」
 蘭花は酒瓶をフォルテに渡そうとする。
 フォルテはそれを受け取ろうとして、不意に目眩を起こした。
「あ、あれ……?」
 フォルテはパチパチと瞬きし蘭花を見た。視界がグニャリと歪み、焦点が定まらない。
(どうなってんだ? 結構強い酒だったけど、ほんの2,3杯でこんなに酔うワケは……)
 フォルテはグニャグニャと波打つ蘭花の口元が、うっすら微笑んでいるのを見た瞬間、何かを悟る。
「ら、蘭花! 酒に何か入れたね……?」
「はぁい。合法ドラッグ少しとぉ、このロストテクノロジーをた〜くさん入れた、蘭花特製カクテルで〜す」
 蘭花はニッコリ笑って、例のロストテクノロジー瓶を取り出した。
「そ、それは……」
 フォルテは懸命に目を凝らし、その瓶を見つめる。間違い無く例のロストテクノロジーである。
「は〜い、じゃあコッチに移動でぇ〜す」
 蘭花は妙に甘えた声を出し、フォルテの腕を取って強引にベッドに寝かせつけた。
「フォルテさぁん。アタシ、こんな日が来るのをずっと待ってたんです」
 蘭花はフォルテの上に覆いかぶさり、熱の篭った視線を投げかける。
「フォルテさん、好き……大好き」
「よ、よせ! アタシはそんな趣味は……」
 拒もうとするフォルテの口を、蘭花の唇が塞いだ。
「んん!?」
 驚愕にフォルテの目が見開く。蘭花の舌が口腔に滑り込み、ヌメヌメと蠢くと、フォルテの舌を絡め捕る。
「ん! んん〜〜〜〜っ!! んむっ!?」
 フォルテは口内で動く蘭花の舌に、ビクリと体を震わせた。
(な、何だ……? コイツ、めちゃくちゃキス上手じゃないか……ち、力が、抜ける……)
 フォルテの体から、徐々に力が抜けていく。ロストテクノロジーとドラッグの作用もあるのだろうが、何よりも蘭花のキステクニックに溺れそうになっていた。
 懸命に蘭花の体を押し戻そうとしていた腕の力が少しずつ弱まってゆき、やがて完全に抵抗力が無くなった。
 そのタイミングに合わせるように、蘭花の手がフォルテの胸に触れる。キスで舌を絡めながら、蘭花はその豊満な乳房を揉み始めた。
「ん……!」
 フォルテの体がまた震える。蘭花は唇を放し、滴る唾液を舐め取りながら、ニッコリと微笑んだ。
「アタシもスタイルには自信ありますけど、やっぱりフォルテさんの爆乳には敵いませんね〜。だって、こんなに指がめり込んじゃう!」
 蘭花は巧みにフォルテの胸を揉みしだいた。その柔らかく大きな双丘は、蘭花の指に合わせてグニャグニャとエロティックな変形を続ける。
「アハ、フォルテさん感じてきたんですね? ホラ、乳首がこんなにカタくなってる……」
「そ、そんなイヤらしい言い方するな……」
 フォルテは火照った顔を背け、抗弁する。
「だってぇ〜。服の上から判るぐらいにコリコリじゃないですかぁ〜」
 蘭花はイタズラな笑みを浮かべ、固く尖った乳首をコリコリと指で転がした。
「ひゃっ! や、やめ……あぁ!!」
「インナーの上から吸っちゃおうっと」
 蘭花はフォルテの胸に顔を埋め、服の上から生地を持ち上げている乳首に吸い付いた。
「あ! や、やめて……胸は……弱いんだ、あぁん!!」
 フォルテのハスキーな喘ぎ声に、蘭花はますます興奮の度合いを増す。
「そんな事言われたら、余計に止められなくなるじゃないですか。もっと責めちゃおう〜と」
 チュパチュパと肉欲をそそられる音を立てながら、蘭花はさらにフォルテの胸を責めたてた。
 レロレロと舌で乳首を転がし、軽く甘噛みする。
「あ、ああ、あはぁ!」
 フォルテは胸先から駆け巡る快感に身悶えし、艶かしい喘ぎを上げる。
「フフ、服の上からでもこんなになっちゃうのに、直接吸ったりしたら、どうなっちゃうんだろう?」
 蘭花は淫蕩な笑みを浮かべ、フォルテのインナーに手をかけると、力いっぱい引き裂いた。
 服に押さえられていた豊乳が、ボロリとこぼれ出す。
「あ、よせ! やめて! い、今直接されたりしたら……」
 フォルテは弱々しい表情で、イヤイヤするように首を振る。しかし、そんな様子はますます蘭花の嗜虐心を刺激するだけであった。
「フォルテさんったら、普段とは別人みたいにカワイイ……。そんな顔されたら、もっとイジめたくなっちゃう!」
 蘭花は充血し、ガチガチに固くなっている乳首にフっと息を吹きかける。
「あぁ!!」
 吐息の刺激だけで、フォルテの背が反り返る。
「フフ、それじゃあ……いっただっきまぁ〜す」
 蘭花はわざとジラすようにゆっくりと顔をフォルテの乳房に寄せた。
 口を大きく開けてベロリと舌を伸ばし、少しづつ乳首に近付ける。
「あ……や、やめて……頼むから……」
 ビクビクと体を震わせながら、フォルテは蘭花を見つめる。蘭花はそんなフォルテの様子にニンマリと笑うと、不意をつくようにいきなり乳房にしゃぶり付いた。
「あ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
 その瞬間、フォルテは達してしまった。息が止まりそうになるぐらいに体を震わせ、ふと糸が切れた人形のようにグッタリとベッドに沈み込んだ。
「アハ、フォルテさん、胸だけでイッちゃったんだぁ〜」
 蘭花はハァハァと荒い息をつくフォルテの傍らに横たわると、その髪を優しく撫でた。
「フォルテさん……ステキです。どんな姿でも、やっぱりフォルテさんはステキです……」
「蘭花……」
 ウットリとした目つきの蘭花に、フォルテはうっすらと霞がかかったような視線を投げかける。
「本当は、アタシとミルフィーユとミントの3人でフォルテさんを責める予定だったんです。でも、
アタシ、どうしても一人でフォルテさんと愛し合いたかったんです。だから、無理を言って、アタシ一人でフォルテさんを……」
 ポツポツと語る蘭花の口を、今度はフォルテの唇が塞いだ。タップリと舌を絡め、唇を放す。
「フォルテさん……」
「何も言わなくていいさ。さあ、アタシはまだ満足してないよ? もっとアタシを愛しておくれ、アタシの……大切な蘭花……」
「フォルテさん……ウレシイ!!」
 蘭花はフォルテに抱きつき、再び唇を重ねた。無理やりではない、愛の篭った甘いキスを二人は交し合った。

その頃、ミントの部屋でノーマッドは意識を取り戻した。
「あ、あれ……私は何を……」
「お目覚めになりましたか、ノーマッドさん?」
 ミントが突然視界に入って来た。若干見上げるような視線のミントに軽い違和感を覚えるノーマッドだが、不意に何かに思い当たる。
「ミントさん! そ、そうだ! アナタ一体何のつもりですか! いきなり私を体から抜くなんて!」
 ノーマッドは猛然と抗議する。空白のメモリーを思い起こしながら。

 ミルフィーユがヴァニラの部屋にやって来て、今からミントが紅茶を淹れてくれると告げた。
 今日のお祈りが済んだヴァニラは、ミルフィーユに誘われるまま、ノーマッドを抱えてミントの部屋に足を運んだ。
 ミントの部屋では、紅茶とミルフィーユが焼いたクッキーが置かれてあり、それをいただきながら、穏やかなお茶会が行われた。
 30分ほどして、ヴァニラが席を辞そうとした時に異変が起こった。
 突然ヴァニラが目眩を起こし、抱えていたノーマッドを落としてしまった。
《ヴァ、ヴァニラさん!? どうしたのですか? まさか、さっきの紅茶かクッキーが口に合わなかったのですか!?》
「あらあら、大変。ヴァニラさん、少しお休みになってはいかが?」
 ミントがふらつくヴァニラの体を支え、自室のベッドに寝かせつけた。
《ミントさん、早くお医者さんを呼んでください!》
 そこで床に転がったままのノーマッドをミントが拾い上げた。
「そこまでしなくとも大丈夫ですわ。少し横になっていれば、すぐ元気になりますわ。それよりも……」
ミントはノーマッドの中に手を突っ込み、その本体を掴む。
《あ、な、何をするんですか!》
「少しの間だけ、眠っていてくださいまし。大丈夫、目を覚ませば、きっと良い事がありますわ」
 そのミントの言葉が終わると共に、ノーマッドはボディから本体を抜き取られ、その意識を失ったのであった。

「まあ、その事は後にするとして、ヴァニラさんはどうしたんです!?」
「ヴァニラさんでしたら、アチラですわ」
 ミントは部屋の奥の方を指差した。
 その指先を追い視線を動かすノーマッドが、そこで信じられない光景を見た。
「どうですか、ヴァニラさん。気持ちイイですか?」
「あ……き、気持ち、いいです……」
 ベッドの上で、全裸になったミルフィーユをヴァニラがもつれ合うように横たわっていた。
 ミルフィーユのしなやかな指先がヴァニラの秘部に伸び、うっすらと毛の生えたスリットを撫ででいる。その指を動かすのと同時に、
まだまだ発展途上のヴァニラの胸に顔を寄せ、小さな桃色の突起に口づけし、チロチロと舐め回す。
「あ……」
「えへへ〜、ヴァニラさんカワイイ〜。もっと気持ち良くしちゃお〜っと」
 ミルフィーユは指でヴァニラの乳首を転がしながら、その首筋に舌を這わせる。
「あぁ……」
 ヴァニラはされるがままに全身を愛撫され、鼻にかかった甘い喘ぎを漏らした。
「ヴァ、ヴァニラさん! ミルフィーユさん! アナタ、ヴァニラさんに何をしているんですか!?」
 ノーマッドは激情に駆られて立ち上がり、そこで初めて自分の身に起こった異変に気付いた。
「あ、あれ? 急に視点が高くなったような……? そういえば、さっきもいつもより視点が高かった気が……」
 いつもは基本的に見上げるような視点の筈が、先刻のミントは明らかに自分が見下ろしている感じであった。
どこか小高い場所に置かれていたのかと思っていたのだが、今現在、自分の意思で体が動き、視点が高くなった事にノーマッドは軽いパニックを起こす。
「フフフ、あちらに鏡があるので、ご自分の姿をよ〜くご覧あれ」
 イタズラっぽい笑みを浮かべ、ミントは壁際に置かれた姿見の鏡を指差す。ノーマッドはそちらに視線をやり、そこでCPUが焼き切れんばかりの衝撃を受けた。
「な、なんじゃこりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!!」
 ノーマッドは自分が生産されてから、最大級の驚愕の叫びを上げた。
 その鏡に写っていた物。それはいつものピンク色のぬいぐるみの姿ではなく、一人の人間の姿であった。
 長い黒髪をなびかせ、そこにアクセントとして赤の細いリボンをあしらっている、なかなかの『美少女』がそこにはいた。
「ノーマッドさんに、新しいボディをプレゼントしたんですわ」
 ミントはニッコリと微笑みながら言う。
「以前から、ヴァニラさんを愛せる体が欲しいとおっしゃってましたでしょう? 僭越ながら、このミント・ブラマンシュ、一肌脱がせていただきましたの」
 言いながら、ミントは本当に服を脱ぎはじめる。
「そ、それはそうですが、だったら何故女性体なんですか! 確かに私には性別というものはありませんが、それでもどうせなら男性体の方が……」
「あら、それはアナタの為を思っての事ですよ、ノーマッドさん。それと、ヴァニラさんの為ですわ」
 しれっとした表情で答えるミントに、ノーマッドは戸惑いを覚える。
「私と、ヴァニラさんの為……?」
「そうですわ。よぉ〜く考えてくださいまし。ヴァニラさんは神に仕える身、そうですわね?」
「そうですが……」
「ノーマッドさんならご存知でしょうが、神に仕える女性というのは、常に純潔でなければいけません。つまり……少し下世話な言い方をすれば、
生涯処女でいなければいけないのです」
「ああ!」
 そこでノーマッドはミントが言いたい事を察した。
「そう、もしアナタが男性の体を手に入れたら、ヴァニラさんの純潔を一生守り通す自身がおありですか? きっとガマン出来なくなるに違いありませんわ」
「私は蘭花さんのようなケダモノじゃありませんよ!」
「それでも、ガマン出来ると言い切れないでしょう?」
「そ、それは……」
 ノーマッドは押し黙ってしまう。確かに自分が男性としての体を手に入れたら、思い余ってヴァニラを抱いてしまうかもしれない、そう思い至ったからである。
「でも、女性の体なら、心配はご無用ですわ。純潔を守り続け、なおかつ肉体的にも精神的にも愛し合う事が出来るのです。
わたくし達としましても、働き手が一人増えて、一石三鳥ですわ」
「……ミントさん、そこまで考えて……」
 ノーマッドは目からウロコが落ちる気分であった。明らかに詭弁なのだが、上手く丸め込まれた感がある。
「ホラ、ヴァニラさんが呼んでますわよ」
 ミントはノーマッドの背を軽く押して、一歩前に踏み出させた。
「あ……」
 ノーマッドは改めてヴァニラの姿を見た。一糸纏わぬ姿でベッドに横たわり、体中が汗と唾液でテカテカと輝いている。
その頬を赤く上気させ、潤んだ瞳で変わり果てたノーマッドの姿を見つめていた。
「ヴァニラさん……何て美しいんだ。まるで女神か天使が顕現したようだ……」
 ノーマッドはそのヴァニラの姿に見とれる。
「ノーマッド……おいで……」
 ヴァニラは両手を広げ、うっすらと笑みを浮かべてノーマッドをいざなった。
「ヴァニラさん…………」
「ノーマッド……おいで……」
 もう一度ノーマッドを呼ぶヴァニラ。ノーマッドの瞳から、人造の涙が溢れる。
「ホラ、行っておあげなさいな。アナタのその体は、本来は男性用のセクサロイドです。超高級品ですから、普通の人間と同じように愛し合えますわよ」
 ミントはもう一度ノーマッドの背を押した。今度は少し強めに。
「うわっ!?」
 バランスを崩し、つんのめるようにノーマッドはヴァニラに覆い被さった。
 鼻の頭が付き合うぐらいに二人の顔が接近する。
「ノーマッド……おいで……」
 ヴァニラが三度呼びかけ、その体をそっと抱いた。
「ヴァニラさん!」
 その刹那、ノーマッドはヴァニラと口付けを交わした。お互いの舌を絡め、貪るように激しいキスを続ける。
 ミントはその様子を満足そうに眺め、ニッコリと微笑む。
「これでノーマッドさんもお仲間ですわ……。ああ、でも『ノーマッドさん』というのも、イマイチ気分が乗りませんわね……」
 ミントは部屋を横ぎり、現在のノーマッドのボディが入っていたケースを眺めた。ケースに書かれた文字を目で追い、やがて目的の文字を見つけ出す。
「ああ、ありましたわ。これがそのボディの名前ですわね」
 ミントは激しい口付けを交わすヴァニラとノーマッドの元へ近付き、その耳元で囁いた。
「お二人とも、よろしいですか? 今日からノーマッドさんのお名前は…………ですわ」
「…………それが私の新しい名前なのですね?」
「新しい名前……」
「フフ、そうですわ……」
 なおも舌を絡めあう二人に混ざるように、ミントも舌を伸ばす。
「あん、わたしも入れてくれなきゃダメですぅ」
 ミルフィーユも続けて舌を伸ばす。
 4人の少女は代わるがわる舌を絡めあい、お互いの体を貪りあった。
 
 これからが、彼女たちにとって全ての始まりなのであった。

それから一ヶ月。
任務の終わったエンジェル隊は、基地の廊下でマイロー兄弟とすれ違った。
「よぉ、何か最近調子良いみたいじゃん。これからも頑張ってくれよ。そうすればオマエらの尻ぬぐいしなくていい分、オレたちも楽になるしな」
「ハン、言ってなさい。元々アタシたちはチームワーク抜群なんだから」
 ココモの憎まれ口に蘭花が応じる。
「しかし、ノーマッドさんが6人目のエンジェル隊メンバーになるとは思わなかったですよ」
「マリブさん、私はもうノーマッドじゃありませんよ。私の名前は『烏丸ちとせ』です」
「ああ、そうでしたね。スイマセン、ちとせさん」
 マリブは軽く頭を下げ、ニッコリと笑う。
「さあ、早いトコ報告を済ませちまうよ! それから、今日はミルフィーユの部屋で『お茶会』だ!」
「は〜い!」
 フォルテの一声に、エンジェル隊全員が返事をし、そのまま和気あいあいと廊下を進んで行った。
「…………何かアイツら、キモチ悪いぐらい仲良いなぁ」
「そうだね…………」
 そんな彼女達を、マイロー兄弟はただ見送るだけであった。

そしてミルフィーユの部屋。すでに全裸になっている彼女たちは、ベッドの上でその裸身を絡めあい、淫欲の波に身を晒していた。
「ウフフ、ミルフィーユさんは、コッチの方が好きなんですわよね?」
「ひゃあ! ミントさん、オシリ……ダメぇ……指抜いてくださぁい」
「何を言ってるんですの? わたくしの指を嬉しそうに咥え込んで放さないのは、ミルフィーユさんのオシリの穴ですわよ?」
 指でミルフィーユのアヌスを弄ぶミント。
「ミルフィーユのオシリは、アタシが徹底的に開発したモンね〜」
「じゃあ、次はアタシが蘭花の体を開発してやろうかい?」
「アン、フォルテさんったらぁ〜。あぁん!」
 フォルテが双頭ディルドゥを蘭花の秘部に挿入し、反対側を自分に挿入する。
「気持ちイイ? ちとせ……」
「あ、イイですヴァニラさん……。もっと、舐めて……」
 ちとせのスリットを指で広げ、その奥を舌でかき回すヴァニラ。
「あ、み、ミントさん。ミントさんのアソコは私が舐めてあげます。あなたは私の大恩人ですから」
 自分も舐められながら、ちとせはミントの毛の無いスリットを押し広げ、愛液で溢れかえった秘部を舐め、クリトリスを甘噛みする。
「あ! ち、ちとせさん! イイですわ!」
 ミントの指が一際激しくミルフィーユのアヌスを抉る。
「ひゃあっ! ら、蘭花さぁん!!」
 菊腔をまさぐる感触に、ミルフィーユは快楽に震えながら最初に愛し合った女性、蘭花の胸にむしゃぶり付く。
「あ、ミルフィーユ!」
 ミルフィーユは蘭花の乳房に吸い付き、突起した乳首を舐め回し、軽く噛む。
「あ、ミルフィーユ……もっと、もっと強く噛んで!」
「おや? 蘭花はマゾだったのかい? だったら、もう片方はアタシが噛んでアゲルよ」
 フォルテが体を起こし、空いている方の蘭花の乳首を歯を立てて噛んだ。
「ああ、イイっ! 痛いのに……ゾクゾクしちゃう〜〜〜っ!」
 蘭花はミルフィーユの顔を上げさせ、唾液と愛液でドロドロになった唇を重ねる。
 タップリと唾液を交換し、ミルフィーユは嬉しそうに口を開いた。
「蘭花さん、ミントさん、フォルテさん、ヴァニラさん、ちとせさん…………みんな、大好きです!」
 うっすらと涙ぐみながら、幸せそうに微笑むミルフィーユ。その笑顔に釣られて、全員が優しい笑みを浮べた。
 そして、大きなオルガの波が押し寄せる。
「わ、わたし、もう……もう……」
「あ、アタシも……」
「わたくしも……」
「ああ、アタシ……」
「全ては……あるがままに……」
「ヴァ、ヴァニラさん……」

『イクぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!!!!!!!』

 全員が一斉に絶頂を迎え、アクメの叫びが部屋中に響き渡った。
 そのまま、グッタリとベッドに沈み込んだ彼女たちは、荒い息を整えながら、近くにいる誰かを求め、その唇を重ねあった。

 天使たちの淫らな宴は終わる事なく、いつまでも続いた。いつまでも、いつまでも…………。




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