フォルテ×ノーマッド


「んっ………ふ…う、…ぁ、ああ…んっ」

余計な光がささぬ薄暗い室内に甘い喘ぎ声がいやらしさを醸し出して灯る。
まだ情事を知らぬ子どもであろうとその光景を目にしてしまえば――意味すら分からないものの
、とっさに身を隠してしまうような無条件の色香があった。

フォルテは慣れない脚を開かされることに、太ももがひどく震えるのを感じながらも身を呈す。
視線がうまく定められない、その潤んだ瞳に映った下腹部の辺りで自分の身体を支えてく
れる腕が妙にたくましく思えて、恥ずかしさが込み上がった。

「…っふ、や…やめ……噛むなぁ……」

秘所からしたたる濡れそぼった太ももを手で撫で回され、ひくついた陰核を歯で甘噛みされた。
熱に浮かされたフォルテの身体にも流石にもたらされる快楽に応えるべくの限界がきている。

「はぁっ、あっ、だめだ…って、やうっ…!」

フォルテは這い回る手の動きに合わせるよう悩ましく喘ぎ、気恥ずかしさに頬を赤らめつつも
大胆に腰を揺らしてしまう。
いつもなら、そういった色めく態度を煽るように指摘された言葉で責められる。
どうしたのだろう、彼は。
そんなことを思考しながら、しっかりと艶めく紅い髪や、瑞々しい肉体には白濁した精液を滲ませ快楽に及ぶ
姿は普段の彼女すら思い描くことすら難しい。

「…ゃ……っ、や…やぁ……!」

うごめく赤い舌が妖しいほどにフォルテの熟した肉体をなめずる。
ずいぶんと手慣れたものだ。
鋭く尖らせた舌に、たっぷりとフォルテの愛液をのせては再び同じ箇所を責めたくる。
フォルテはそれを押しのける気力すら奪われ、されるがままに肉体を翻弄された。

「ああんっ、あぁ…っ……だめ、だ…だめだってぇ…………――――っ!!」

伸びきった舌が力強く敏感になった箇所をなめずった。
肉体を反らして、秘所に飛沫を思わすほど大量の愛液を溢れさせながらフォルテは絶頂を迎えた。
フォルテは、じんわりとした余韻をわずかに感じながら、かなり今更といった具合に
胸を隠して見上げる。
見上げる、のだ。
本当ならば見下げれる体格――というか入れ物というか。
とにかくそれを目にする場合には目線は必然的に下にいくことが多いはずなのだが、違った。
特にミントがなにげに好きそうな言葉で言い換えると「擬人化」である。
誰の、とまでは確認するまでもない。

「…ねぇ」

長く続きすぎる沈黙が怖くなってフォルテが彼につぶやく。
ノーマッドは黙ったまま無言で、それにノーマッドが入っているのかと疑ってしまうぐらい、
単なる男性を形取ったヒューマノイドをしたまま動かなかった。

「…な…なんか喋れよぉ……」

声音が震えてほとんど声になっていないのだが、
それを気にする余地はフォルテにはない。
びくびくしながら、いまにも抱きしめてきそうな濡れたノーマッド手が目に入って
羞恥心が嫌でも刺激される。
(な、なんでなにも言わないんだよ……)
だが。こうしてノーマッドが黙っていることに思い当たる確かな節がひとつだけあった。

「へたくそ」

一言め。意味がよくわからなかった。
フォルテは舌で奉仕とも似つかない真似を一時的にやめ、ぶっきらぼうに言葉を放った彼を見上げる。
そのときノーマッドがものすごく陰険な面構えをしている、と羞恥心で息詰まる意識で朧気に思った。

「へ・た・く・そ」

あえて強調する二言め。

「え……? …………。な…なんだと……!?」

啖呵を切るが如くフォルテははいまにも歯を剥き出して噛みついてきそうで――まだモノが千切られず繋がっているのが不思議だ。
情緒や精神が完全にとはいかないものの、
あらゆる人に近い神経を直結して作用するヒューマノイドである。
無限の可能性を秘奥するロストテクノロジーならではの高機能な科学技術による人間擬似へ代替。
それは痛みも快感も生かしていた。

で、あるからしてさっきのアレは下手云々で決して済まない。
正直それに恐れたのも理由の一つであろう、
ノーマッドはフォルテの後頭部を押さえつけて手のひらの力を込めた。

「何回噛んだら気が済みますか? 痛いんですよ。
今は穴が空いても平気なぬいぐるみじゃないんです。わざとやってんですか、この淫乱娘は」
「い、…淫乱だと……やっ、いたいいだい〜〜」

「だいたい。そんなのいいって言ってるでしょう。
私にやられてればいいんですよ。ほんと学習能力なさすぎます」

「う…! うるさいなあ。してやるって言ってんの。黙ってされてろよ………わっ、痛いってば、うぅ〜」


――――と
なんとも色気のない、巧みのないフォルテのフェラテクが披露された後からだ。
フォルテはその大柄な体格で覆われるように激しく抱かれた。大きく指が吸い付くような弾力のある乳房をムチャクチャに弄る。舌でぬらりと這い回られ、指で愛

液のぬかるみをグチュグチュと掻き回され、または突き立てられた欲望のソレで何度もイカされた。
その間ノーマッドは口を開いただろうか。

なんとか落ち着いてきたフォルテは不可解さに理由を問い出す。

「…………そんなに…怒ったか…?」

「……怒る?」

フォルテの心意が伝わったのかノーマッドは彼女に聞き返して目を配った。
そうされて否を示すつもりはないのだが、もはやフォルテは見られただけで反射的に身をすくめてしまう。

「…だってさ……な、何か言って欲しいんだよ………。さっきのことなら謝るから……」

「いや、怒ってませんし…黙ってしまったのは何となくで……そうじゃなくてですね……」

しょぼくれるように俯いて口ごもるフォルテを見てノーマッドは思った。
口を開かなかったことはフォルテに対しての苛立ちからなのだが、訳は至極単純だった。
して欲しくないのだ。
フォルテを順調にして“させる”というのなら何だっていい。あの雌猫に屈辱を味わわせるのは大好きだ。
だが、自分がやられる側になるのは生理的に許せなかった。
あのフォルテが一旦攻めの体勢に入ったこと。
それが腹立たしかったのだ。逆に言うとそれだけだった

のだが、フォルテが話を大きくさせている気がした。事実、かなり食い違っている。

「だから…いや……」

「で、でも…でも、あたしだって…してあげたいんだよ…………」

「な……っ、フォルテさん………!?」

一瞬遅れてノーマッドは肉棒を握られたことに気付く。
はじめてノーマッドがフォルテに対して負い目を感じさせるような驚きの声を洩らした。
フォルテはその声を了したと思いこみ、ゆっくりと肉棒を両手で包むようにして、恥ずかしそうにしながらも上目遣いでノーマッドを見つめた。

「…あっ、…あたしだって出来る…から……!」

悔しそうにそう言ってフォルテはノーマッドを自分の口の中に含んだ。
最初はすこし慣れを感じさせるように舌で形を沿ったりするが…
フォルテのやわらかな唇に触れたノーマッドのソレは瞬時に、湿った狭い口腔で中の精液を搾りとられるよう強く圧迫された。
ねっとりと生温い唾液に肉棒は絡められ、驚愕の間も足らず凄まじい射精感が襲う。

「や…やめてください、そんなことしてくれなくていいんです…ッ」

ノーマッドは必死で堪えながら言葉を紡ぐ。
しゃぶってくるフォルテの身体を引き離そうとしても、肉が擦られる快感に打たれるばかりで身体がなにひとつ融通を利かない。

「…ぅ…んちゅ……っふ…」

熱い舌が亀頭をイヤにのろのろした動きで舐めずっていく度、くちゅ、くちゅ…と特有の水音が立つ。
フォルテは赤らめた頬でモノを固定するように窄めながら、更に快楽を求めて肥大してゆく肉を包む。
実際はあまり深いことなど考えてなさそうではあるが、浮かべている色っぽい淫靡な表情が間接的な責めとなり、非常に耐え難い。

「あぅっ…! …は…ぁっ、や…やめてください……!!」

生意気なピンクの柔らかな唇の奥に、モノが嵌められているといった実感、感触にモノは血液を集めて反り返るほど硬くなっていく。
やはり時折歯が当てられたが、ここまで気合いを入れて肉棒を熱されてしまっては、痛みも快楽に感じられた。

「っく……!!!」

ノーマッドの盛った肉棒は小刻みに震え、ついに欲望をフォルテの口腔に吐き出した。

放たれた大量の精液を全て受け入れられるほどの余裕は無いフォルテであったが、口の端からも液体の糸を
垂らしながら必死でソレを呑み込もうとする。
白い喉がこく…こく…と、それを確認する時間を引き延ばして動く。
その光景は、あまりにも普段のフォルテを想起させるに難儀であり、ノーマッドは征服欲が深まるのを感じられ
ずにはいられなかった。

「ぷはっ……! …っく、けほっ、けほっ……」

精液が喉に絡み付いて呼吸の邪魔をする。
やっとフォルテはノーマッドのモノを解放させ、荒い呼吸に何度かむせながら、くたびれた様子でいる彼を見た。
正確には首を動かすだけでも辛くて、眼前で精液を出し切って萎えていた彼の息子を、だ。

「いっぱい出た…」

「いっぱいって………はぁ。だから…そういうことして欲しくないんですよ。あんまり」

フォルテの肉体に塗られた精液を拭き取るよう手を滑らして肌をくすぐりながら、感嘆して呟いた彼女に呆れた。

眉間に皺を寄せたノーマッドの表情が気になったのか、フォルテは前のめりになって言う。

「か……噛まなかっただろ」
「そりゃ当然です」
「それとも、そんなに気持ちよくなかったか…?」
「そうじゃなくて」
「………あ。ふふふ…そっか〜お前もしかして照れてるな?
なんだ、可愛いねえ…して欲しくないとか言っちゃってたのにさぁ」
「違いますから」

はかばかしくないばかりにノーマッドは勝手を様々に連想させるフォルテを抱き寄せた。
努めて優しい態度を示したつもりなのだが、言葉を失って身じろぐフォルテに微苦笑し、
豊満な膨らみに手を伸ばす。
フォルテのずっしりと重たげな乳房は、みずみずしい艶と張りを、これでもかと言わんばかりに肉感を醸し出していた。

「さて。形勢逆転ってとこですか」
「…うぅ………」

赤らめた頬など見せたくなくて逃れるよう顔を俯かせ、ノーマッドの腕の中で身を固めている
のは口の減らない強気な狙撃手などではなく、恥じらいつつも密やかに期待に満ちた双眸を
震わせるフォルテだ。
通常有り得ない仕草は彼の情欲を促進してやまない。

「やぅっ…あ………、い…いっつもあたしばっか…」
「責められるの嫌いじゃないでしょう?」
「やはんっ…ん…ぁっ…あふうぅっ……。ひ、卑怯だ…あっ、バカ……!」


後日。
フォルテが棒状のアイスクリームを食べて食べまくってお腹を痛めたとかいう話を――甘いものが苦手なフォルテにそれは
どうかと、というか噂の類には尾ひれがつくというものだが――を聞いたエンジェル隊のストラテジー、ミントはうまい棒にしておけばよかったのに、と。
静かなる信仰者ヴァニラはバナナがおすすめ、と言い残した。
それは謎を横たわらせた有名な話となる。


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