フォルテ×タクト

「おい、タクト」
「んぁ?」
 友人兼副官(向こうから言わせれば腐れ縁らしいが)であるレスターの声に、タクトは
ふと我に返る。
 気が付けば、椅子から身体半分がずり落ちているという、かなり情けない格好になって
いることに気が付き、慌てて椅子に座り直す。
「……」
 ばつが悪そうなタクトの表情に、レスターはやれやれと言うように首を振る。
「どのくらい寝てたかな」
「30分くらいだな」
 そう言って、レスターはタクトの顔をじろじろと眺める。
「な、なんだ」
「かなり疲れてるみたいだな」
「それはお互い様だろ」
 クーデターに巻き込まれ、士官学校時代の恩師であるルフト准将から突然エルシオール
とエンジェル隊の指揮権を渡されてからというもの、2人は今までの辺境艦隊とは比べも
のにならない量の仕事に忙殺されていた。
「俺は忙しいなりに休みは取ってるが、お前は休み時間はエンジェル隊の隊員と色々大変
だろ」
「まあねぇ」
 タクトは、曖昧な返事を返す。エンジェル隊の面々とのコミュニケーションは大変なが
らも楽しい時間ではあるのだが、休みが取れていないのも確かだった。
「とりあえず、暫くは敵襲もないだろうから部屋に戻って休んでろ」
「いいのか」
「大事な時に居眠りをされるよりよっぽどマシだからな」
「今日は悪友の親切に甘えさせて貰うよ」
 タクトはそう言って司令室を出ると、自室に戻る。
「やれやれ」
 以前の艦とは比べものにならない快適な部屋で、タクトは久しぶりに無為な時間を過ご
す。無駄に広い部屋、テーブル、ベッド……こうして改めて見ると、意外に殺風景な部屋
であることに気が付く。エルシオールが元々遠距離航行を考えて作られた艦でないことが、
この殺風景な部屋に現れているのかも知れない、とタクトは漠然と思いを巡らす。この艦
の司令が乗艦するのは儀式の時くらい、それもそんなに長い期間ではない。常に艦で待機
する乗組員達の住居スペースの快適さと比べて、ただ広いだけの司令の私室はそれが理由
なのだろう。
「…………」
 下らない事に頭を使って逆に疲労を感じていている自分に、タクトは苦笑する。
 その時、机の上に来客を告げる画面が浮かぶ。
 タクトが画面をドアの外の映像に切り替えると、そこにはフォルテの姿が映っていた。
「タクト司令、ちょっといいかい」
「ああ」
 ドアを開けると同時に、フォルテが遠慮無く入ってくる。
「さっき司令室に行ったら、こっちだって聞いたんでね」
「なにか用事かい」
「なーに、お疲れの司令官に一杯奢ってやろうと思ってね」
「ありがたいけど、流石に酒はまずいだろ」
「安心しな」
 そう言って、フォルテは手に持っていたモノを突然投げる。
「っと」
 胸に飛び込んできたそれを、タクトは慌ててキャッチする。
「缶コーヒー?」
「それなら問題ないだろ」
「ああ。ありがとう」
 タクトは缶を開けると、よく冷えたコーヒーを一気に飲み干す。
「ふぅ」
「司令のお仕事には慣れたかい」
 フォルテはそう言いながらテーブルの上に腰掛け、自分の缶を開けて口を付ける。
「正直、まだ慣れなくてね」
「まあ、あんたが以前指揮していた艦隊とはかなり違うからねぇ」
 エンジェル隊の駆る紋章機はその桁違いの速度ゆえに、それを指揮する者には、高速リ
ンクによる指揮システムがあると言ってもかなりの負担が掛かるのだ。
「オレの指揮に点を付けるとしたら何点かな」
「そうだねぇ、65点って所かな」
「そりゃひどいな。士官学校なら赤点だ」
 タクトはそう言いながら椅子をぐるりと回してフォルテに背を向ける。もっとも、がっ
かりとした口振りとは裏腹に、タクトは決して嫌な気分ではなかった。フォルテの冷静な
分析を信頼していたし、ヘタに高い得点を着けられるよりはよっぽどいい。
「なに言ってるんだい、アタシにしては結構高い点をつけたつもりだよ。当然、将来の期
待を含めてだけどね」
「そんなに評価してくれていたとは驚いたな。どうせなら、なんかご褒美は出ないのかな」
 いつも通りの自分の軽口に、フォルテの突っ込みが入ると思っていたタクトだったが、
いつまでたってもフォルテの返事がない。
「フォルテ?」
 椅子を戻したタクトの眼前に、フォルテの顔があった。
「あ、フォルテ」
 その吐息さえ感じられる距離に、タクトは思わず固まる。
「確かに、頑張ってる司令殿に少しぐらいはサービスしてもいいかもね」
 フォルテはそう言うと身体を前に乗り出し、タクトの唇をすっと奪う。
「ッ!?」
 思わず顔を引こうとするタクトの頭を、フォルテは両手で抱いて引き寄せる。先ほどま
で飲んでいたコーヒーのせいか、フォルテの唇は妙に苦かった。フォルテの舌先がタクト
の唇をくすぐり、うっすらと開いた隙間を縫ってその口腔に入り込む。タクトは突然の侵
入者を舌先で絡め取るが、フォルテの舌はそれをすり抜けて逃げていく。それを追いかけ
て、今度はタクトの舌がフォルテの口腔に潜り込む。フォルテは舌先でタクトを突いて誘
っては、直ぐに奥に隠れる。そうやって、2人ともキスをしたまま濃厚な追走劇を楽しん
でいたが、軍配は始終フォルテに上がっていた。
 やがて、どちらからというわけでもなく2人は唇を離す。
「やるじゃないか」
「まあ、士官学校時代にはそれなりに遊んだからね」
 これは強がりでもなんでもなく事実だった。夜中に寮を抜け出しては、悪友のレスター
と街に繰り出したのも一度や二度ではない。むしろ「それなりに」などと言うのは、タク
トにしては珍しく謙虚な答えだった。
「なら、これからどうするかは分かるよな」
「ああ」
 タクトは椅子から立ち上がると、フォルテと見つめ合ったままベッドに歩を進める。
 ベッドの横で一端足を止めると、タクトはフォルテの肩に手を掛ける。
「新米司令へののご褒美ってのは何時もこうだったのかい」
「聞きたいかい」
「いいや」
 タクトはそのままフォルテの身体をベッドの上に押し倒す。
 ぽふっ
 その身長に似合わない音を立てて、フォルテな身体がベッドに沈みこむ。
 タクトの体の下で、フォルテは口元に笑みを浮かべる。まずはお手並み拝見、というこ
とだろうか。
 タクトはフォルテのコートを脱がせると、露になった肩口に顔を埋めて口付けをする。
 そのまま、肩から首筋にかけて何度もキスをしながらゆっくりと進んでいく。
「ん……あぁ……はぁ……いいねぇ」
 タクトにキスをされる度に、フォルテの肩がピクピクと震える。
「司令殿、こっちもお願いできるかい」
 フォルテはそう言って胸元に手を掛ける。
 パチン
 ワイヤーが外れると同時に、拘束を失った豊かな胸が現われる。
「ふふふ、どうだい」
 多少の照れを含みながらも、自信に満ちた表情で突き出されるフォルテの豊かな双丘に、
タクトの目は奪われる。ゴクリ、とツバを飲みこむ。
 フォルテが身体を少し動かす度に、やわらかそうな乳白色の乳房がふわふわと揺れる。
フォルテは腕を頭の後ろで組んで、さらに胸を突き出す。タクトは誘われるままに両手を
眼前の双丘に伸ばす。
 新雪のようなやわらかな手触りに、タクトは思わず手を止める。やがて、フォルテの温
もりが掌に伝わってくる。頭の中を、フォルテの乳房を無茶苦茶にしたいという衝動が走
るが、タクトはそれをぐっと飲みこむ。
「へぇ、結構我慢強いじゃないか。大抵あたしの胸を見た男は直ぐにがっついてくるもの
なんだけどね」
「そりゃまあ、これだけのものを見せられちゃ仕方ないだろ」
 そう言いながら、タクトはフォルテの胸をやさしく愛撫する。均整の取れたやわらかな
丘全体を掌で包み込むようにしながら、ゆっくりとその中心へと手を進めていく。
 やがて、微かに膨らんだピンク色の乳輪にタクトの指が振れる。
「あっ」
 今までの乳房の愛撫にあまり反応のなかったフォルテが、初めて声を出す。タクトは人
差し指をで円を描くようにして、フォルテの乳輪をなぞる。
「ん、はぁぁ……焦らすのも……ん……上手いじゃないか」
 そういうフォルテの額にはうっすらと汗が浮かんでいる。
 ぺロリ
 額を舐めてあげると、フォルテ思わず身を縮こまらせる。
「あっ、そ……それ以上……やられると……さすがの……あたしも、本気に……ひゃっ」
 タクトの指が乳輪の中に埋もれた乳首をつついたとたん、可愛らしい声を上げてフォル
テの身体が跳ねる。
「フォルテ、オレと本気でやるのは嫌かい」
「よしとくれよ、司令殿。あたしはそういう安っぽいラブコメは苦手なんだ」
「答えになってないよ」
 タクトはそう言って、隠れたままの乳首を人差し指で執拗に攻めたてる。
「あ……ちょっと……やめっ……っく……」

 やがて乳輪の中から頭を起こした乳首の先端を、タクトの指先が捉える。タクトはその
感触とフォルテの反応を確かめると、人差し指と親指で軽くつまみ上げる。
「ふぁっ……だ……あ……ああああッ」
 フォルテの身体がびくんっと弓なりに反ったかと思うと、へなへなとベッドに沈み込む。
「…………え、えーと」
 タクトは予想以上の反応に目が点になる。
「もしかしてイッた?」
「あぁ。軽く、だけどね」
 そう言って、フォルテは身体を起こす。
「まったく、胸だけでイクなんてねんねの時を思い出すよ」
 そう言って微笑むフォルテの顔には、いつになく真剣で優しい表情を浮かべていた。
「司令官殿、ご褒美とか言っておいてあんたばっかりにさせて悪かったね」
「いや、オレも十分楽しませてもらったよ」
「十分なのかい?」
 フォルテの手が、タクトの下半身に触れる。
「こっちの方は全然みたいだけど」
 ズボンの上からでもはっきり分かるほどに勃起したタクトの肉棒を、フォルテの手がそ
っとなで上げる。
「いや、まあ、ね」
「遠慮しなさんなって」
 フォルテはチャックの金具を噛むと、そのままゆっくりと降ろしていく。
「ふーん」
 トランクスを押し上げるタクトのモノを見て、フォルテは感心したような声を出す。
「な、なにかな」
 さっきまでフォルテに対して優位に立てたと思っていたタクトだったが、今はまた最初
に逆戻りしていた。
 フォルテはタクトのトランクスをずり下げると、中から勢いよく飛び出したタクトのモ
ノに目を細める。
「なかなか立派じゃないか」
 そう言いながら、フォルテは目の前でいきり立つモノをそっと口に含む。
「くぅ」
 タクトの表情に、フォルテは目を細めると、口に頬張った肉茎を舌で攻める。
 じゅる、じゅるるる
 吸い付く様なフォルテのフェラチオに、タクトの腰が微かに震える。
「んふ……、どうしたんだい?」
 フォルテは意地悪く聞きながら、舌先でタクトのペニスの亀頭をチロチロと舐める。
「なあ、フォルテ、そろそろヤバ――」
 フォルテの舌先が、タクトの鈴口をえぐる。
「ちょ、ちょっとまて、フォルテ」
 しかし、フォルテはタクトの制止を無視して、愛撫を続ける。亀頭に何度も口づけをし
ながら、玉袋を手で強弱をつけて刺激する。
「っ痛」
 タクトは微かに顔をしかめるが、それを上回る快感が下半身を包んでいく。
「司令官殿、もう限界かい。それじゃあ……」
 フォルテはそう言って、一端タクトから離れると、胸でタクトのモノをすっぽりと進み
込む。
「どうだい、司令殿」
「ぁあ、凄く柔らかいよ」
 乳房の間だからぴょこんと頭を出したタクトのモノを、フォルテは舌で舐める。
「くぅ……フォルテ、もうッ」
 ビクンッ、と柔肉の間で跳ねたタクトの先端から、白濁液が吐き出される。
 あまりの勢いに、思わず口から離してしまったフォルテの顔面を、ベトベトとした精液
が汚す。
「……司令殿、大分溜まってたんだなぁ」
 相変わらず勃起したままのタクトのモノを見て、半ば呆れた表情でフォルテは言う。
「女性が多い職場だからね、色々溜まるんだよ」
「じゃあ、とことんヤっとかないといけないな」
 フォルテはそう言って、服を素早く脱ぎ捨てるとタクトの上に乗る。
「いくよ」
 タクトの亀頭を、自身の割れ目に数度擦りつけて具合を確かめると、フォルテは一気に
腰を降ろす。
「ぐぅ、フォルテ」
 絡みつく内壁に、タクトは反射的に射精をしそうになり必死に耐える。
「……ちっ、やるじゃないか司令殿」
「見くびって貰っては困るなぁ」
 タクトはそうは言ったものの、半ばやせ我慢に近かった。
「じゃあ、動かすよ」
 フォルテはゆっくりと腰を上げる。フォルテの秘所は、タクトの腰を引っ張り上げんば
かりの締め付けをみせる。ゆっくりとした動きのせいか、フォルテの膣肉が余計にタクト
に絡みついてくる。
(これはマズイ)
 タクトは心の中で呟くと、フォルテの秘所に手を伸ばす。大きく広がった大陰唇の内側、
タクトのモノを飲み込む膣口の上で、包皮に包まれたままぷくりと膨らんだクリトリスを
指先で軽く弾く。
「んあっ」
 突然の事に、フォルテの動きが止まり、すとんっと腰が落ちる。
「大丈夫だと思ったんだけど……痛かった?」
「あたりま――はぁッ」
 タクトは、クルっと器用にクリトリスを包む皮をむく。
「優しくするから大丈夫」
「そういう問題じゃ……ああぁッ」
 剥き出しになったクリトリスを、タクトは指の腹で挟んで軽く挟んでつまむ。
「ひぁっ……やだ……こんなの……つぅ……やめて……ああああ」
 タクトのモノを根元まで咥え込んだままのフォルテは、最も敏感な場所を攻められ、タ
クトの身体の上で、腰をビクビクと痙攣させる。
「ぅ……うううう……ひぐぅ……え……ひっく」
 あまりに激しい愛撫に、フォルテの声は殆ど嗚咽へと代わっていた。
 タクトは愛撫を止めると、結合部から溢れ出す愛液にまみれた指をフォルテの口元に運
ぶ。
「ほら、フォルテ」
「う……ん……ぁん」
 フォルテは、差し出された指を舌先でペロペロと飴を舐めるように動かして、自分の愛
液を舐め取って行く。一通り舐め取ると、口腔に指を含んで、まるで乳房に吸い付く赤子
の様にタクトの指を吸う。
「ん……んん……っん……ハァ」
 指から唇を離したフォルテは、未だ薄っすらと涙の残る瞳で求める。タクトはそれに無
言で頷く。
 二人は無言の合意を合図に、互いの身体を貪るように腰を動かし始める。
 フォルテは、タクトの胸に置いた両手に体重を預けると、腰を大きく振る。タクトは射
精感に堪えながら、フォルテの動きに合わせて腰を突き上げる。
「あんたのが……中で……いやぁ……あたしのを……抉って……ッ」
「フォルテ、もう――」
 タクトがフォルテの中で一瞬大きくなり、亀頭の先が子宮口をくぐり抜ける。
「ひいっ」
「くぅっ」
 そのままタクトは直接フォルテの子宮内で射精する。
「ぁぁぁ、中で……あたしの……なかで、こんな奥で――ッあああああ」
 フォルテの身体が弓なりに大きく反る。そのまま数秒ほど動きを止めたかと思うと、タ
クトの胸に倒れ込んだ。


 しばらく二人は寄り添ったままベッドに横たわっていると、フォルテが身を乗り出して
タクトの顔を覗きこむ。
「そういえば、司令殿に一つ聞いておきたいことがあってね」
「なんだい」
「司令殿の目標ってやつさ」
 タクトは暫く考えて、口を開く。
「そうだな、とりあえずはフォルテの背中を任せて貰えるくらいにはなりたいね」
 タクトの答えに、フォルテは驚いたような表情のあと後、目で微笑む。
「とりあえず、にしてはえらく大きな目標じゃないか」
「そうかな」
「今まで、そんな大風呂敷を広げた奴はいなかったからね」
「これでも少しは謙遜したつもりなんだけどなぁ」
「…………」
「フォルテ?」
「っと、これ以上は新米司令殿を調子に乗らせるだけだから止めておくよ」
 フォルテはそう言って、ベッドから起き上がる。
 タクトはふとフォルテの腕を掴もうとするが、フォルテはその手をするりとかわす。虚
しく空を掻く手を苦笑しながら見つめるタクトに、フォルテは悪戯っぽい笑みを浮かべる。
「念のため言っておくけど、そっちはもっと大変だよ」
 そう言いながら、フォルテは床に落ちていた服を手に取る。下着、アンダー、上着を身
につけ、帽子を被って髪を整えるまでに、ものの3分も掛からなかった。軍隊慣れしてい
るべきと言うべきだろうか、ある意味スクランブルのお手本のような着替えだった。
「それじゃあ司令殿、あとはごゆっくり」
「ああ、またね」
 タクトの言葉に、フォルテは意味ありげな笑みだけを浮かべると、何も言わずに部屋を
出て行く。
「確かに、大変そうだ」
 タクトは独り呟いてベッドで一眠りしようとすると、司令室からの呼び出しが鳴る。
「おい、タクト、敵襲だ。直ぐに司令室に来い」
「…………」
 この直後の戦闘で、タクトの指揮がいつもより精彩を欠いていた理由を知る者は、本人
の他には一人しか居なかった。



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